まさかの髪


俺の幸せ気分をぶち壊しにしたのは


「みんなで帰ろ!」


ひまわりだった


風馬

「お、お前ってやつはなー!!!」


ひまわり

「だってー急には止まれないじゃん?」


風馬

「じゃあ走るな!!」


湯山

「なになに?また夫婦漫才?」


風馬

「ちげーわ!!」


手島

「ちょっと!ひまちゃんになんて口調で話してんの!」


風馬

「関係ねー!!」


俺は水瀬の事をチラッと見る

この光景を見た水瀬はカバンを持って教室を出ようとする


「……あ」


俺は少し悲しげな声を出してしまう


しかしそこに


「ねえー!あなたって風馬の友達?」


ひまわりが水瀬を止めた


「……はい」


水瀬は振り向いて返事をする

な、何してんだよひまわりのやつー!!


「へぇーあなたが風馬の友達ねー」


なんか危なっかしいことすんじゃねえぞ……


「名前は!?」


「…水瀬遥香です」


明らかに水瀬も困惑をしている様子

だがそんな水瀬に対してお構い無しにひまわりはこう言った


「遥香ちゃんか!かわいい名前だね

日曜日にみんなでダフニーランド行くんだけどあなたもどう?」


な、何言ってんだー!!

俺は今すぐにでも止めたかったが止めるのもどうなのかと思い何も言わない


「……私」


水瀬が出した答えは


「ダフニーランド大好きなの!!」


「えーー!!!!!??」


俺は水瀬の出した答えに驚きのあまり叫ぶような声で反応する


「じゃあ決まりだね!

これからみんなとマック食べるんだけど

あなたもどう?」


「……あの……えっと……」


もじもじしている水瀬

もしかして水瀬も俺と北谷と同じ

孤独族の方!?


「ち、ちょっと確認してくるね」


「確認?」


そう言い放って水瀬はどこか遠くに行った

ケータイを取り出し電話をする

しばらくすると水瀬は戻ってくる


「わ、私も行ってもいい?」


慌てるように勢いよくひまわりに言う水瀬


「もちろん!」


ひまわりが答えると

俺に見せた微笑みよりも明るくパーッとした笑顔の水瀬が見れた


俺らはマックに向かう


ひまわり

「え!?私たちと同じ中学だったの!?」


遥香

「そ、そうだよ」


ひまわり

「なーんだーだからふーまも知ってたんだー」


風馬

「ま、まあな」


「なんだよー遥香、緊張してんの?」


遥香

「い、いや!ただ友達と話すとかあんま慣れてなくて」


しずく

「慣れてない?」


遥香

「う、うん。こんな大勢で話すのも初めて」


「まあ!なんとピュアな!」


風馬

「湯山とは大違いだ」ボソッ


「やかましいわ」


ひまわり

「にしても楽しみだねークラス委員」


北谷

「あ、ああ!そうだね!」


しずく

「にしても北谷は気の毒だけどひまちゃんはよく手上げたね」


風馬

「確かに、なんでだ?

中学の時とかはそうじゃなかったよな?」


ひまわり

「んーー何となく!」


しずく

「ちょー適当」


風馬

「そんなことだろうと思ったけどな」


「にしても北谷ーあんたクラス委員なんでしょー?」


北谷

「……ひっ!」


「頑張ってね〜あたし応援してるから」


湯山は北谷の耳元で囁いて息を吹きかけた


北谷

「ぎぃぃやーー!!!」


店員

「店内ではお静かにお願いします!!」


「あっははは!ウケる〜」


遥香

「雛さん…大胆……」


風馬

「気にしないでいいぞ……」


しずく

「……てか雛、そういえばさ」


「ん?」


手島は湯山の髪の毛を触る


「へ?」


しずく

「クンクンクン」


「わー!何してんの!」


しずく

「え?いい匂いって言ってたからどんな匂いかなって」


「だからって嗅ぐなってば!」


しずく

「え?そう?」


手島はすぐに湯山から離れる

……ん?


風馬

「お前、何赤くなってんだ?」


「んなな!なってない!恥ずかしいだけ!」


???

変なやつだな、こいつに恥ずかしいなんて感情あるんだな

そんなこんなでみんなとダフニーランドに行くことになった

いやーまさか水瀬が来るとは……

ひまわりには色々と感謝しないといけないな



【おまけ】

〜風馬の部屋にて〜



風馬

「この花は縁起良さそうだから鏡の横に置いてます」

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