第4話 絶叫
勿論、最終レースもあらかじめ予想はしていた。保険を掛けて少しでも元金を回収できる本命を抑えようかと一瞬迷った。
しかし、これまでの経験則で、やり方を変えてしまって、あーー変えなきゃよかったーー!って事が多々あった。
やはりお誕生日のジョッキーを軸に人気どころに流す当初のやり方でいく。1番人気は◎が並ぶガチガチの本命レース。
しかし、そういうレースこそガチガチの本命馬が飛べば、とんでもない穴馬券がでる可能性を秘めている。
残金2000円を500円ずつ人気どころに4点流す。1番人気以外がくれば万馬券確定。下位人気なんかきたら・・やめろ!そうやって欲かいて銭勘定したらまずこなくなる。
ま、ギャンブルやってる時点で欲望丸出しなんやけどね。
いざ尋常に・・・勝負!
ガッシャーーン!
ゲートが開く!
先程の勝負を掛けていた軸馬のヒヒーーン!出遅れスタートとは打って変わって、なかなか良いスタートを切った軸馬。
いいよ、いいよ・・
キリシタンのようなお祈りのポーズでレースを見守る。先頭集団の前過ぎず後ろ過ぎない絶妙にいい位置取り。
いいよ、いいよ・・
最終第4コーナーを回って、最後の直線。お誕生日ジョッキーがムチを入れる。
いいよ、いいよ、いいタイミング・・
お誕生日ジョッキーの馬がムチに反応して加速する。
いいよ、いいよ、いいんじゃない・・
先頭集団から軸馬を含む3頭が抜け出す。
おい、おい、これ来んじゃねーの!!
軸馬以外の馬は上位人気馬ガチガチの本命馬と4番人気馬。ゴール前、完全に3頭の争いになった。
おい、おい、おい、おい、これ来たんじゃねーの!!
もう脳汁垂れ流し状態の私たち。気がつくと絶叫していた。そのまま、おダンゴ状態でゴール!
着順が表示される電光掲示板には、1、2、3着の部分に“写真”の文字が。どうやら鼻の上げ下げで決まる微妙な判定になるらしい。
1番人気との絡みならば、ついても80倍。もし、4番人気となら大万馬券になる。
まぁ、お誕生日ジョッキーの馬がくればの話。おそらく1番人気と4番人気とで順当な結果になるんだろう。
今まで負け続けた経験上、心の傷を少しでもやわらげ自分を守る防御本能なのか、心の片隅で覚悟はしていた。
そして、写真判定の結果が。ゴクリと唾を飲み込む私たち。
果たして・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます