経歴
今回は団長視点の話となります。この先も時々変わりますし、こうやって頭の方で色々書いたりしますが、まぁ一人称や口調で察してくれればと思います。
では、本編へどぞ。
「さーてと、こんなもんでOKだ。こっちのドアから出て、廊下を向かって左に歩いてくれ。お前の個室は、603号室だ。相部屋とかではないから。安心してくれ。それじゃ、がんばれよ」
「ありがとうございます、団長。それでは」
ばたり、と軽い音を立てて、新入りの青年―
「そうか…|アイツがあの籏野か…」
「籏野 喜代彦、歳は15歳と…六か月。職業は…言っちゃってもいいか。○○都の南月影高校に通ってました」
「南月影っつったら有名な進学校か、俺も聞いたことがある。結構悪い噂も聞いたがな…親御さんは?」
親に関する質問に、アイツは黙って首を振った。
「殺されました、二人とも…僕が15歳になった一週間後に」
「…そうか」
硬く、平坦な声のまま、彼はロボットか何かのように語り続ける。
「当時は少し事件だなんだと話題になったんですが、すぐに風化してしまいましたね。犯人も見つからずじまいでしたし…んで、そのあとは一人暮らしです。父が務めていた会社の重役の人が父に借りがあったらしく、葬式を手伝ってくれたり、マンションを借りるときには連帯保証人になってくれたり」
祖父祖母も早逝し、頼れるはずの親類縁者は見て見ぬふり。
「天涯孤独か…苦労したな」
経験上、この手の人間は、過去に触れて色々言うより淡々と今を生きさせたほうがいいと知っている。五十の時に転生し、城主をおおせつかって三十年。幾たびと生き死にを繰り返してきた間培ってきた経験がそう言っていた。
「ま、今はとりあえず前を向いてもらおうか。ほい、これにサインしてくれ。しっかり内容は読んどけよ?」
「分かってますよ。今まで契約書には散々苦労させられてきましたしね…」
などとうそぶきながら書き出される旗野の筆跡は、ひどく流麗で、どうにかすると壊れそうなのに、どこか芯の通ったなものだった。
「筆跡は人を表す、か…」
「…字、汚かったですか?」
「いや、真逆だよ。こんな綺麗な字を書く奴はそうそう見ないからな」
そんなやり取りの後に、旗野は完成した書類を差し出してきた。
「日付はこちらで書くとして…よし、これでいいだろう」
カレンダーを見ながら日付を書き入れ、契約書を丸めて紐で縛り、仕上げとばかりに封蝋を垂らす。
「これで契約完了だ。正式な入団式は数日後だから、まぁゆっくりしてくれ」
「団長の声、どっかで聞いた覚えあるんだよなぁ…気のせいかな」
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主人公
名前:籏野喜代彦
年齢:16歳
職業:学生
レベル:そんなもんはない
特性 : グロ耐性 B
装備:
- フラビア騎士の大盾
- フラビア騎士の胴鎧、脚鎧、手甲
- フラビア兵の兜
- クレイモア
-東洋の短弓
いやーようやく主人公の名前が出てきましたね。記憶喪失ルートも考えたのですが、私自身の力量を考え、普通のルートに落ち着かせていただきました。これからも主人公君改め籏野君をよろしくお願いします!(なおこの肝心な局面でストックが切れた模様)
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