突撃準備
ゾロゾロと登って来た雑兵たちを一掃し、死体と血にまみれた三番塔の中を、僕らは一歩一歩団長を先頭に降っていった。
「気ぃ付けろよお前ら。この塔から出たら即リスポーンの可能性もあるからな」
団長のやたらと実感の篭った号令に、身体が引き締まる思いがした。シレッとリスポーンなどと言い出したのには…聞かなかったことにしよう。今は眼前の戦争に集中する。
「戦争に集中か…イヤな言葉だ」
「全くだな」
ふとした呟きは周りに伝播し、皆を頷かせるに至る。周りの兵士たちも、
「愚痴るのは分かるが、と言うか俺だって許されるなら盛大に愚痴りたいが、生憎とお相手は待ってくれないんだ。おら、行くぞ」
団長が皆を励まそうとするが、
「「「「…ウース」」」」
皆から返されたのは、ずいぶんと暗い返答だった。
「防御円陣!!遠距離からの狙撃に備えろォ!」
ここでもやはり前衛を担うのは槍兵たち。構えた大盾の右脇から槍を突き出し、その槍に守られながら僕ら中衛組が一人一人着実に対処していく。
「団長!これで全部です!」
「よし!誰か伝来を頼めるか?手すきの連中を集めてこっちに寄越すよう伝えてくれ!」
「分かりました!」
伝令訳を買って出た1人が塔の穴に向かって全力ダッシュしたのを見届けつつ、僕らは再び前を向く。
こう言う状況では、制圧し返すのは意外と簡単だ。なんせ城壁上にいる僕らは、塔の中に籠る兵士たちに対し高さの有利がある。
高さ is パワーなのは、何もFPSゲームだけの特権ではないのだ。
だが、一度でも穴をぶち開けられた塔を守るのはかなりしんどい。敵は圧倒的な手数で攻めてくるし、その気になれば兵士たちをローテーションさせて間断なく攻め立てる事だってできる。
それに引き換え、こっちは少数精鋭。聞こえはいいが、その実ただの人手不足だ。
同じ人間が延々と戦い続ければ、疲れは溜まるし細かい傷も蓄積する。団長は、ジリ貧の消耗戦にもつれ込む前にこちらから打って出て決着を付けるつもりだ。
「敵の投石機はどうなってる?」
「見た限りでは…城壁にヘイトを向けているようですね。こっちのバリスタやアルバレストの部隊には、後で感謝をしておきましょう」
幸いにも、攻城兵器がこっちを向いて石やら火炎壺やらを投げてくる事は無いみたいだ。あっちはあっちで、城壁上の兵器にかかりきりらしい。
「団長!増援部隊が到着しました!」
そうこうしているうちに、増援部隊がガシャガシャと甲冑を鳴らしながら小走りで崩れかけた階段を下りてきた。数は百五十人、遊撃兵団を合わせても二百五十人強程度と、軽く見積もって二千はいる相手の軍には劣るが、こちらは全身フルプレートアーマーの装甲ガチガチ集団。言ってしまえば戦車のようなものだ。
「全員、突撃陣形に移れ!クロスボウ兵はここから援護射撃、そのほかの連中は飛び道具があれば後ろの連中に渡して槍兵の後ろに付け!」
さぁ、来たぞ。ちなみに僕は『そのほかの連中』カテゴリに入っている。拾ったクロスボウと矢筒を近くにいた人に放り投げ、腰に収めた大剣を引き抜いた。
______________________________________
主人公
名前:???
年齢:16歳
職業:学生
レベル:そんなもんはない
特性 : グロ耐性 B
装備:
- フラビア騎士の大盾
- フラビア騎士の胴鎧、脚鎧、手甲
- フラビア兵の兜
- クレイモア
オプション装備 :
- 導きの宝玉
フレーバーテキストがないって?今回新装備一切出て来てないしあれ書くのホントに疲れるんすよ(開き直り)
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