第4話 初めての調査へ
いよいよ聖清帝国支部として初めての調査へ乗り出す。すでにチームの編成は出来上がっている。装備の点検も完了して、準備はバッチリだ。
私は今後の流れについてチームのメンバーに説明した。情報共有はすごく大事なことだろう。危険な任務ではいわゆる「報連相」を徹底した方がいい。
出発は明日の正午になった。最初なので、実践トレーニングとしての要素に重きが置かれる。期間も3ヶ月と短い。それでもしばらく帰還できないことになる。それぞれが家族や友達と時間を過ごした。
眠りにつく前に荷物のチェックをした。忘れ物があってはいけない。一つひとつ確実にチェックをしていった。準備に漏れがないことを確認したあと、ベッドに入った。
翌朝、鳥のさえずりで目を覚ました。ぐっすりと眠ることができた。期待と不安の両方を感じていた。
いつも通りのモーニングルーティンをこなして、家族にあいさつをしてから家を出た。
支部に到着すると、私が一番乗りのようだった。メンバーを出迎えるべく、エントランスで待っていた。みんなさまざまな思いを抱えていることだろう。一人ひとり違った表情をしていた。
みんな大切なチームの仲間だ。そのチームのリーダーとして、全員が無事に帰還できるよう努めなければならない。しっかりと己の責務を全うしたいと思う。
支部のトップである主席総督から激励のお言葉を賜った。私たちにかなりの期待を抱いてくださっている。だからこそ、この任務は失敗するわけにはいかないのだ。改めて気を引き締めなおした。みんな準備が完了した。
いよいよタイムシップ号へ搭乗する。時空トンネルの強い圧力と放射線に耐えることができる特殊素材を使って造られている船だ。そのため、団員は生身の状態でいることができる。すごい技術だ。
シップには専門の操縦士がいる。飛行機のように2人~3人体制が基本になっている。しかも船体を透明にして姿を消すことができるので、シップに乗ったまま調査することもできる優れものだ。
そして出発の時刻を迎えた。みんなが声援を送って見守る中、エンジンが始動した。少しずつ船体が浮いて前進を開始した。一気に速度を上げて時空トンネルの入り口をこじ開けた。そしてそのままトンネルの中へと入っていった。
タイムトラベルはあっという間だ。ただし速度を上げすぎるとそれだけ負荷も大きくなる。100年をさかのぼるのに20秒かけることになっている。秒速でいえば5年ということだ。
今回の目的地は弥生時代だ。少しずつ出口の光が見えてきた。いよいよ調査が始まる。私は期待と不安に包まれていた......
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