第2話 騎士団

 三時間後、指定された東門へ行くと、たくさんの冒険者が集まっていた。

 これはまた、大規模だな……魔王軍でもいるのか?

 このフィオレス王国は四大魔王の一角西の魔王が近くに住んでいる。

 西の魔王とこの国は近年、対立関係にある。

 理由はよくわからないが、恐らく国にとって都合の悪い事だったためだろう。

 俺達が考えたってわからない事だ……俺達は生きて行くのに必死なのだから。

 

「皆、よく集まってくれた!」


 奥の方にある壇上から人が現れる。

 国家王宮六大騎士の一人、ロナ・ケレントだ。

 この国の最上位の騎士で最年少にして初の女性騎士である。

 抜刀を得意とし、彼女の刀の範囲に入ったら最後だと言われる。

 背中に二本の剣と腰に一本の刀を帯刀している。

 あれ、歩きにくくないのか?

 言ったらなんだが、彼女の華奢な身体では相当見合わないくらい重たい物だろう。


「今回、任務に参加してくれたもの、感謝する」

 

 頭を下げ、彼女は続ける。


「今回の任務だが、討伐隊と偵察隊に分かれてもらう……ではまず偵察隊を呼んでいく!」


 順番に名前が呼ばれる。

 他の人達はパーティー名で呼ばれるのだが……。


「では、次…ティオレ・フェリオ?」

「へーい……」

「あの、個人…ですか……?」

「何か問題でも?」

「え、あ〜いや……」


 無視して偵察隊に並ぶと、「足引っ張らないでほしいよな」等様々なことを言われた。

 パーティーなんて組んで良い事ないのに……。

 そのまま全パーティーが呼ばれる。


「以上が偵察隊だ、あらかじめ言っておくが偵察次第では報酬も変わってくるから、そこは了承してくれ」


 偵察部隊はこちらへっとロナの部下の騎士が案内する。

 噂通り、彼女の部隊は女性が多かった。

 これは、野郎どもが張り切るな……。

 まぁ、精々足元を取られないようにしないとな。

 女性陣がいると、男って生き物はどうしてか、張り切ってしまう生き物なので怪我…もしくは最悪命を落としてしまう事が多いのだ。

 案内されると、副団長と名乗るユーア・へカーテが偵察部隊の指揮を取るようだ。


「皆、これを持て」


 渡されたのはバッジだ、王宮騎士団第六騎士団の紋章が刻まれていた。

 紋様は六大騎士団それぞれで第六は男性と打ち合っている女性が真ん中にある。

 騎士団の紋章には場所を伝える役割があり、どこに誰がいるのか術者に分かるというものだ。


 用はサボりや誤魔化しが効かないって事か……。


「では、各々の索敵範囲を説明する」


 そういうと、各々騎士団員が案内するのだった。






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