其の明け方にて
対向車もない真夜中の傷心高速道路を走り続け
闇夜に一寸先だって見えず
それでも止まることなんて出来ないから
何がなんでも走り続けるしかなかった
カーラジオからは気味悪いホワイトノイズ
けどその不気味さすら今の僕には変え難い友人で
そんな僕に話しかけるは過去の栄光
過ぎ行った彼女や友人たちの笑顔
そういう過去たちに「クソくらえ」と唾吐いて
その裏側ではそれ以上の遣る瀬無さが泣いていて
宛先も無い恨み言を「報われない」と言い換えて
歪な走り続ける意味としてきた
それでもどうしても限界って奴はやってきて
見ないようにしてた現実を突きつけてくるんだ
結局僕には才能なんかないと
誰かにとって大切な人間にはなれないと
それでも強引に朝はやってくる
どうせ今日だって何も変わらない
でもそんな朝日が照らす景色は少し違って
ほんの少しだけ僕が前に進んだ証明となる
そういう事の繰り返しだ
どうせ後悔は尽きることない
このクソッタレた日々の中じゃ
ならもう悩むだけ無駄かもな
もう誰にも僕が見えないなら
人の目を気にする必要なんて無い
悲しいけれど好機でもあるのだ
そう言い聞かせてアクセルを踏み込む午前五時
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