第12話 案内と紹介【その8】
「お、おおおい、だ、だから誰だよ...!!」
俺は床にへたりこんでいる男を見た。なんというか、さっきまで異常な人らに会ってきたからか、1番の人らしく見える。ちょっと悪い意味も込みで。
「やっほ〜みーちゃん!」
「ハァ!?おい望かよ!!!何度言えば分かんだよ開けるときくらいノックしろって...」
あ、目があった。
「っっっっだあッッ...?!」
...と、思ったら素早く望さんの後ろに隠れていった。
「ぅえ...い、や、誰....。」
聞き取れないほどのか細い声が望さんの後ろからした。...この人、やっぱり俺と同じ類の人だろ。おい。
「あはは、みーちゃんのコミュ障は健全だなあ〜。」
笑わないでください望さん。僕にまで被弾しています。
「...で、望誰なのこいつ...。」
「八百谷ブナくん。仲良くしてあげてねみーちゃん!」
いや仲良くも何も、まあ確かにこの人とは話が合いそうだけども。
「はあ...?いやめんどー...てか早くネットしたいんだけど。出てってくんない?」
そうやる気がなさそうにみーちゃんと呼ばれる男がため息をつくと、望さんがちょっとむっとした表情になり、みーちゃんという人に言い返した。
「え〜、それは困るなあ〜。じゃあいま自己紹介してくれなきゃ、みーちゃんのPC叩き割っちゃうよ〜?」
そう望さんが言うと、みーちゃんという人からはどッッっと冷や汗が吹き出しあっという間に顔色が真っ青になった。
「いやちょ待って!!お願い!それだけはやめてください!!!」
「えぇ〜〜〜。どーしよーかなあ〜。めんどってさっき言ったよねえ?」
「言ってないです...絶対に、...言ってないから...やめてください...」
思っきしガチ泣きしているみーちゃんという人と対象的に、望さんは心なしかなんだか楽しそうである。この人ちょいちょいサディストだな...
「あはははっ!安心してってば、壊したりなんかしないって。」
と、望さんが言うとわかりやすくほっとしている。この人かなりリアクションがわかりやすいし大袈裟だな。
「じゃね〜みーちゃん!」
「望お前今度は絶対ノックしろよ???」
そう言って望さんと俺はおそらく陰キャのみーちゃんさんの部屋のドアを閉めた。その直後、望さんが口を開いた。
「彼は
「ああ〜...、なんかPCがどうのこうのって...。」
「うん、ゲームとか、ネット全般ないとダメでね。取り上げたり、壊すとか言い出すとああやって泣き叫んだり持ち出して逃走とかね。よくあるよ。」
「(ネット依存か...なかなか今どきの依存症っぽいの出てきたな...保健の教科書でも習ったし。)」
「だからついつい面白くってからかっちゃうんだよねえ〜」
...超絶鬼畜だ...。
「ぃよしっ!多分次に紹介する人が最後だよ!ついてきて!」
!や、やっと最後か....。ついに終わる...帰る隙もできるかも...
「(...ここからだな...、どうにかこの異常者の集まりから脱出しないと...。)」
------------キャラクタープロフィール⑧-------------------------------------------------------------
誕生日...1月7日
身長...165cm
好きなもの...ゲーム。ネット。エナジードリンク。
依存しているもの...ネット
その他...オタク。精神的にかなり幼い。ネットのおかげで目がいつも充血気味。
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