第9話 案内と紹介【その5】

...気に入られてんじゃん絶対。


いや、なんかもう、ここでモテなくていいんだよ???もうちょっとさあ、なんか、うん...女の子にモテたかった人生でした。


「...ねえブナ。ここに来たってことは、ブナも依存持ち?何依存?」


空といったな。そんな物騒なことを友達の犬の犬種を聞くような軽さで言うんじゃありません。


「名前は宗ね。...なにも依存はしてないよ。」


「え...。...望...、なんのためにここに連れてきたの?」


いやほんとに。てか帰してよ、帰りたいよマイホーム。帰る隙がなさすぎるよ。


「ふっふっふ〜。それは後からのなーいしょ!」


「...相変わらずうざい。」


ごもっともだよ空くん。


「あ、そういえば翔も紹介しないとね!」


「え?ああ、はあ...」


とりあえず、よろしくしなきゃだめそうなので翔、と呼ばれる少年の方に体を向ける。少年といっても年はあまり離れてないと思うけど。




「...フン!!」


「え?ぐ、ッッい”っ...!!!!?」


ちょ....おいおいおい待て待て待て。こいつ...


...俺の股間にダイレクトアタックかましやがった...!!!


「っっがああああ!!!!ってぇぇぇぇ!!!」


ボロ泣きで床に縮こまる俺。傍から見たらかなり無様だろう。いやマジで痛いんだけど???君人の心って知ってるかな??


「だはっ、あはははははは!!マジで無理!!お腹死んじゃうって!ぐふっ、えほ、くるしい〜!!」


ちょ、おい!笑うんじゃねえクソ糸目が!!あんたも男ならこの苦しみわかんだろーが!!!


「へん、いい気味。」


「なんで...いきなり君は...え...??なんで...?」


「空とずっといて、うぜぇと思ったから。空をいじめると思ったから。」


いやうん...!!好きなのは理解できたよ...!!だけど嫉妬のぶつけ方がバイオレンスすぎるって...!!!


「翔...ありがと。守ってくれて。でも、ブナは大丈夫。」


そうなんだよ!?僕無害!!無害だからとりあえず誠意ある謝罪を求めます!!これは謝るべきだって!!


「...なんだよそれ、俺のことが嫌いなんかよ...!」


いやお前はめんどくさい彼女か!!!なんかもう痛みとかどうでもよくなってきた。ツッコムと全てを忘れられる体質なのかな俺。


「...あーもうやだお腹いたいなあ〜。ふ、ふふ、あははっ。」


「あんたはいつまで笑ってんだよ!!」


「ごめんごめん、この子達は清井空きよいそら清井翔きよいしょう。双子で空の方がお兄ちゃんね。」


双子だったのかよ...そんなに仲が良いものなの双子って。いや俺一人っ子だからわからんけども。他人の股間を嫉妬で蹴れるほど双子の仲って良いものなの?


「んで、この2人は共依存ね。お互いがお互いを依存して求めあっているってやつ。」


共依存か...共依存だから俺は股間を蹴られたのか...?


「まあさっきブナくんがあそこ蹴られたのは依存なんかじゃなくって単純に嫉妬したんだろーね。」


違うんかい!!!どっちみち俺は股間を蹴られる運命だったってことじゃねーか!!!


「んじゃ、ありがとね清井兄弟!まったね〜!」


「ばいば〜い...。」


「2度とそいつ連れてくんなよ望!!!」



そして、俺はまるで正反対の言葉を言われ双子たちに見送られた。








-------------キャラクタープロフィール⑤------------------------------------------------------------


清井空きよいそら 14歳 男


誕生日...6月30日


身長...160cm


好きなもの...翔。おままごと。


依存しているもの...翔


その他...常に無気力だがたまに鬼畜らしい。気に入ったものには少し積極的になる。

















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