第6話 案内と紹介【その2】

「がはっっ.........ええっ、ちょっ.......なに...???」


切実に助けてほしい。よくわからん誰かに頭突きされ押し倒された。いや誰。


「や、やっ、やっと帰ってきたのかよおお....!」


混乱させている脳を少し落ち着かせ、俺の上にぶっ倒れている奴を確認する。おいおいおい...!!!まーた顔面偏差値まあまあ高いじゃないですか。しかも俺の上に乗っている男は...なんというか、この世の終わりのような顔をしている。つーかめっちゃ泣いてる。え?俺なにかした???


「あっれぇ。慥家たしやじゃん。どっしたの〜?あいちゃんと一緒なんじゃなかったの?」


慥家たしや...??それがこの人の名前か??


「あ、あいつ、おいてけぼりにしやがったんだ、どうしよう。捨てられた??裏切られた??とりあえず来てくれてありがとうお願いだから離れないで...」


オタク特有の早口並みの唐突な慥家と呼ばれる男の言葉に戸惑う。え?俺これ多分巻き込まれてるよな?巻き添えよな??


「ちょっと、望さ、助けて....!お、起こして...。」


「......そのままのほうが良いんじゃないかな!とっても楽しそうだよ☆」


え??何だこの悪魔。ああそうか。ただの悪魔か。


「いやいいから起こせ!!!!」


「うわ〜。いきなり怒鳴ったこの人〜。こっわーい♪」


あなたのせいですよ??10割方あなたのせいですよ???


「しょうがないなあ〜。ほいっ」


あー...やっと起こしてもらえた。


「...で、望さん。この人は...?」


起こしてもらって全身を見たら分かったけど、大きい黒リボンのついたパーカー、小さく結ってある髪。...背は...俺と同じくらい。


「(この人、なんかちょっとかわいい。)」


あっいえ、そういう類の人では僕はありません。彼女がほしかった時期が僕にもありました。


「あっ、説明するね。この子は慥家伊園たしやいぞの。かっわいい顔してるでしょ〜?目がおっきいよね!」


「...ごめん、取り乱した。望、あと...君は誰?」


「あ、八百谷...宗です。」


「うん宗くん。覚えた。」


なんか、喋ってみると普通な人だな...。よかった。まともな人か!?


「んで、慥家は他者依存なんだよね〜。」


「他者依存...?」


「うん。なんだか一人ぼっちが寂しいらしくてね〜。常にこの子の周りには誰か居ないとだめ。一人になるとさっきみたいに泣き出したり、ひどい時にはショックで気絶したりね...まあ、寂しい子だよ。」


大丈夫なのか...?それ。


「慥家といつも一緒にいる子がいるんだけどね〜。その子にも難ありってやつだよ。」


え?難ありってなんだろう...。


とかなんとか思っていると、さっきの後ろの扉から、誰かが出てきた。






「...誰。」


「.....!?」


なっ...!!!どッッッ...!!!



「(...どえらくイケメンだあああああああ!!!?)」







-------------キャラクタープロフィール③------------------------------------------------------------


慥家伊園たしやいぞの 19歳 男


誕生日...2月4日


身長...163cm


好きなもの...猫。かわいいもの。ゼリー。


依存しているもの...他者


その他...学力的にかなりアホ。怖がり。パーカーに猫耳がついている。



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