第5話 余命

7月25日。

僕は地元の花火大会に行った。


花火を見るとやっぱり君を思い出す。

そして自然と涙が出てくる。

でももう忘れないとな、そう思い僕は花火大会を後にした。


7月30日。

もう忘れたはずなのに何故か今日は君のことを思い出してしまう。

もう好きじゃない。

そう僕は頭の中で何回も唱えた。


けれど僕の頬に涙が伝ってきた。


8月1日。

僕の携帯に電話がかかってきた。


「もしもし、奈美の母です。奈美から聞いてたと思うんだけど…」


僕は電話を終えると走り出した。


走って、走って、奈美最期に会った病院に着いた。


そこには眠っているような美しい奈美がいた。


「なんで、奈美が」


奈美は7月に病気で余命1ヶ月と告げられていた。


そして奈美の携帯には和人との写真が沢山残っていた。

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