第5話 第三の可変種


  超人気アイドル声優の藤島ユキは、シンガポールのアニソンフェスティバルの大成功のご褒美にハワイの休暇を満喫していた。日本に帰れば新作アニメの仕事も同時進行で数作品待っているし、新曲のレコーディングも控えている。売れっ子とはいえ収入はまだ少なく、仕事を選んでいる余裕はない。居酒屋のバイトとガヤの仕事ばかりの4年間だったが、急遽キャストの穴が空き、スタジオ見学に来ていた彼女にチャンスが巡ってきた。それをものにしたのは、彼女の日頃からの声優としての努力の賜物と言いたいが、彼女は幼少の頃より、声に特化した修行を積んで来たので、声優キャリアはたった5年に過ぎないが、声のエキスパート歴は、年齢マイナス1、つまり22年となる。家業が嫌で高校卒業式当日、用意周到に準備をし、家出、声優スクール、居酒屋バイト、の日々の後、やっと人気を手に入れた。もちろん、怒涛の日々の中、一度も実家には帰ったないし、連絡を取る予定もない。もう、自由なのだ。


  明日の帰国を前に、どうしても乗ってみたかった150メートルの高さまで上がるパラセーリングの日、テンションはMAXだった。キャラとして空を自由に飛ぶことはあっても、それはアニメ作品上の演技だけの話。これからもそんな役柄を演じる可能性があるし、直に肌で、高さも風も爽快さも恐怖も感じたいと思った。

 

  しかし、不運が起きた。運の悪さは一つだけだと、笑い話で済むことが多い。しかし、それが二つ以上重なると、不運になり、起きるタイミングや順番や自然環境次第では、それが悲運や不幸を招くこともあり得る。彼女の場合そうだった。ベテラン揃いで有名な会社をお願いしたが、その日は予約が多く、スタッフの余裕がないところに、彼女の担当クルーの一人が急病になり、素人同然のバイトが入り込んだこと。船とパラシュートを結ぶワイヤーの接続安全ロックが連日の観光客ラッシュで疲労損傷を起こしていたこと。慣れない作業の連続でそのバイトが藤島さんの番の時に疲労のピークに達していて、パラシュートと座る簡易ゴンドラ部分の接続が十分でなかったのを見落としたこと。その時、その海域の天候が不安定だったこと。オアフ島は一年中、一日中、お天気のイメージが強いが、昼間の太陽の輝きとは対照的に非常に限定的な時間、強い雨が降る。ハワイ諸島全般で見られる傾向だが、そうでなければあの美しい自然は保たれない。観光客はこの昼を堪能し、夜は屋内で楽しむ。このあまりにも計算された観光諸島は、まるで人工知能に管理されたライサに似ている。ライサ星とは、スタートレックに登場する享楽と享欲の星である。彼女のその日の運の悪さを不運へ変えたダメ押し的な要因は、たった一時間弱のフライト中に台風レベルのゲリラ豪雨が降ったことだ。時間にして10分の暴風雨。


  彼女のMAXになったテンションを十分満たすほど、素晴らしい体験だった。150メートルと言っても、東京の150メートに感動はない。もっと高いビルだらけだ。ところが、オアフの視界を遮るものもない青い空では、青い海と空の青がファジーにブレンドされ、無重力空間に似た錯覚を起こす。日本に戻ってからの激務、その前の短い休暇の締めくくりとしては最高だったはずであった。


それは前でも後ろでも右でも左でもなく、真上、頭上に現れた黒雲であった。まるで龍が如く、一挙に駆け降りて来て周囲を風と雨に巻き込んだ。あっけなく、パラシュートは船と切り離され、さらにパラシュートと彼女が座っていた簡易ゴンドラも同様だったが、ゴンドラ自体が壊されたという表現が正しかった。


  彼女は、まずうねる暴風で東京スカイツリーよりも高く、上空に巻き上げられ、最速ジェットコースターの速度で海面に叩きつけられた。即死のはずだった。不思議な感覚、だった。まるでマシュマロに全身が包まれたかのような優しい感触を感じるとある思念が彼女の頭に入り込んできた。

 「大丈夫、このまま陸地に移動するからね。」


次の瞬間、東京のマンションに置いて来たお気に入りのワンピースを着て、この数日通い慣れたワイキキのコンビニの横に立っていた。ハワイではこの春物のワンピースは場違いな格好だったが、滞在しているホテルに戻ってルームキーをもらい、パラセーリングに出かける前に預けて置いた貴重品を受け取り部屋で混乱している記憶の整理をした。ネットによれば、ある海域で異常な竜巻が発生し、数隻の船が行方不明であること。詳細は不明とだけ伝えていた。 


  私は水着で船に乗ってこの海域に行って、パラセーリングで上空にいる時に上空高く舞い上がり、海面に叩きつけられて、死んだ。えっ、今の私は霊魂なの。すると声が聞こえた。


  「違いますよ。僕がお救いしましたから」


私の着ているワンピースが、私のマネージャーの瀬戸さんに変わった。


  「すいません、あなたの記憶で一番印象深い物と人を読み取って、

   この姿をしました。この方と明日、空港で合流ですよね。

   記憶も読めます。」


 「妖だ。本でよんだことあるし、我が家の伝承記録でも記録がある。」


 「さぞ、驚きのことですよね。この世界の私の種族名はシェープ

  シフターというらしいです。どうやらシェープシフターは定番で、

  悪人と決まっているとのことですが、僕は悪いスライムでは

  ありません。」

  と一瞬、ドラクエで見たオレンジのスライムに変幻してニッコリと

  笑った。


 この妖、なんか面白い、それにまずはお礼を言わなきゃね。


 「命を救ってくれたんだよね。ありがとう。

  あの、その、見返りというか代償というか、

  何か差し出すことになるの?」


 「そのお言葉に甘えて、僕を日本に連れて行ってください。

  急ぎませんから、都合のいい時に、

  ある場所へ連れて行って欲しいのです。」


 「私は東京に帰るとしばらくは動けないよ。いいの?」


 「ええ、情報収集や順応にも時間は必要ですし、

  あなたにも非常に興味があります。」


 少し顔を赤くしながら、

 「口説いてんの?」


 「口説くという意味が今ひとつ分かりませんが、あなたのマインドには

  相当な数の人格めいたものが存在していますけど、普通、人間がこの

  状態になると精神に異常を来しますが、あなたは平気ですよね。

  魔法使いに、戦闘機パイロット、警察官に、歌手、小学生に大学

  生、、、実に興味深い!」


  「具体的にどうやって君を日本に連れて行けばいい?

   瀬戸さん二人が空港から日本に着いたらまずいでしょ。」


  「あなたがお持ちの何か小物に変幻します。時計とか指輪とか、

   そのスマホケースのストラップはどうでしょうか?」

   と言うと、

   五芒星のチャームが付いたストラップへ姿を変えた。


   翌日、飛行機に乗り日本へ到着。成田空港に着くと人気声優ユッキーこと藤島ユキの死亡説がネットで拡散していた。恐るべきインターネット時代。パラセイリングの予約者名簿に私の名前 藤原雪があったというニュースである。業界マスコミ以外の取材班が空港で待ち構えてチョットした騒ぎになったが、皮肉にもこのお陰で彼女の知名度はますます上がった。ちなみに、パラセイリングの予約の件は、フェイクニュースである。予約はパスポート名、つまり、本名である、御門雪風でしているから、

悪質なデマだった。

  

   こんな騒ぎがあったので、アニメ制作会社と事務所がもう一日、お休みをくれた。マスコミ対応を終えて、やっとマンションに到着。ここであとひとつ、スマホを取り出して、語りかけた。


 「そろそろ元に戻って!」


五分しても何も起きない。するとドアのベルが鳴り、相手を確認すると

マネージャーの瀬戸さんがコンビニであれこれ気を遣ってくれたのか大量に買い込み袋を両手に抱えて立っていた。今回の騒ぎの残り火で、明日はマンションから出られないのを見越したのだろう。それにしても、公式プロフィールどころか事務所も知らない私の好物ばかり、すると瀬戸さんは、瀬戸さんらしくない口調で、


「ほんのお礼です。」

「あんた瀬戸っち、じゃないね。あやかし!」



 「すいません、多分、この世界の妖魔とは種が違います。

  実際に、名前は ないのですが、 ウォッチャーと

  お呼びしてもらえればいいです。僕たちは個体概念がありません。」



  「それって名前?」


  「あなたの場合の声優みたいな、、ルーティンワークですね。」


  「じゃ、却下!」


  「それでは便宜上、名を付けて貰っても結構です。」


  「そうね、昔、大好きだったアニメから、あなたの名前は、

   えーっと、宗方仁だから、ジンでいいわね。」


  「何かこの世界の神様みたいな名前で恐縮ですが、

   そうお呼び下さい。」


  「ただ、男の姿だけだとマズイわね、週刊誌の恋愛スキャンダル

   も怖いし、私と出歩く時は、基本、女の子になってね。

   名前も決めたから、ヒロミね」


  「一緒に入れない場所は、ストラップ以外がいいわね。

   それじゃ、このバレッタになってくれる。

   あとは、この家の中にいる時の姿だけど、

   瀬戸っちは、非常にマズイわね。」

   

   彼女はクロークの奥に置いたあるボックスから一枚の写真を

取り出しその中の男の子を指差して、

  「私の頭の中にある彼をコピーして ! 」と言った。


すぐさま、ジンは、彼女のイメージ通りの男性に変幻した。


「この人が東京に出てくることは、まずないから、安心して!」

と言った。


  秋アニメ、冬アニメ、その間のアニソンイベントやファン交流サービスと目まぐるしい日々の中、ジンはいつも私の傍にいた。人間じゃないことは分かっていた。ウォッチャーの仕事が何なのか理解はできないし、そもそも、彼の正体は、妖魔なのか悪魔なのか、神なのか、もしかすると宇宙人だったりするのかもしれない。でも、そんなことはどうでも良かった。彼は、私の頭の中にある程度のものを具現化できる。と言っても、それは私の想い次第で、作品中、私が演じたキャラや私が使った道具に限定される。


  大晦日のイベントを最後に10日間の休暇をもらえることになった。もうすぐジンとお別れなのかと思ったら、胸がチクチク痛んだ。彼は観光で日本にいるのではない。重大な使命とやらがあるんだ。


  ネェ、ジン、と話しかける前にジンから話しかけてきた。

  「フジさん、お世話になりました。」


  「もう、フジさんはやめてよ!ユッキーがいい!」


  「それでは、ユッキーさん、ようやく、

   この国の現状が分かりました。

   とりあえず、あと50年は平和だと思います。

   それから、行くべき

   場所も特定できました。これでお別れです。」


  「えっ、待ってよ。私と行くんじゃないの?」


  「最初は、そのつもりでしたが、あなたは巻き込みたくないです。

   だから、一人で行きます。」


  「あなたの決断なのね、ネェ、最後に教えてもらえる。

   どこに行くの?」


  「福岡という地方の北九州という街にある神社という

   サンクチュアリーです。」


 ところどころおかしなところがあるが、彼女は、二つのキーワードに

心が揺れた。北九州 神社


 彼女の実家もその北九州の神社の一つである。門司港にある藤御門神社。

 「ジン、もしかして、あなたは藤御門神社を目指しているの?」


 「違います。名前は似ていますけど、朱鷺御門神社という名前の神社

  です。ここに行けば、会いたい人の情報が掴める思います。」


 彼女は、今、ジンが擬態している顔で、この神社の名前を口にすること

 に妙な運命を感じ取っていた。


 「ジン、あなたの今の姿は、あなたが行きたがっている朱鷺御門神社の

  神主の姿なの。私の従兄弟で、名前は、御門剣也、そして、私の本当

  の名前は、御門雪風、朱鷺御門神社と対をなす藤御門神社の元巫女

  なの」


 半分、泣きそうなくらいシリアスに、


 「それから、お願い。朱鷺御門神社へは行かないで。

  あなたがどんな存在であれ、彼はあなたを殺しにかかる。

  彼は人間以外の妖魔も幻魔も悪魔も許さない。滅しにかかる。

  それに、あなたの方が強くても彼に指一本触れて欲しくない。

  彼は従兄弟であり、私の初恋の人。」


 「ユッキーさん、残念ですが、その要望にはお答えしかねます。

  私は、ウォッチャーとして、トト様にあう必要があるのです。」


  「トト、父親のこと?」


  「そうとも言えます。トト様しかお救いできない状況が世界に

   起きているのです。その元凶は、私の一族にあります。

   これを収拾する方策と力をお持ちなのはトト様だけなのです。

   おそらく、従兄弟の剣也様は、何らかの形でトト様の力を借りて

  妖魔や幻魔や悪魔を討伐しているのだと思われます。」


  「ジンとケンちゃんの戦いなんて見たくないから、私も行く。

   ジンはお父さんに会いに行くんでしょ!?ケンちゃんは、

   そのお父さんに助けてもらっているんでしょ。

   だったら、戦う理由なんかないじゃないの!?」


  「おそらく、そんな単純には行かないかと、、、、」


  「ダメ、私も行く。絶対行く。」


   最も人が賑わう正月三ヶ日を避けて、ヒロミとユッキーは、

駅からモノレールに乗り、最寄駅で降りて、朱鷺御門神社へ向かって

いた。車を借りてという手もあったが、場合によって、ヒロミと高速移動で逃げることも想定した結果だった。ヒロミは、神社の本殿に続く登り

階段前で足を止めた。


 「強い結界ですね。この姿はマズイと思いますので一旦バレッタに

  なります。連れて行ってもらえますか?」


彼は、いつもの金色ではなく、目立たない黒色のバレッタになり、私は境内に入った。矢が予告もなく飛んできた。威嚇ではなく、私めがけて、真っ直ぐに頭を狙って。もし、ジンが擬態を解いて、守ってくれなかったら、死んでいた。


  「おい妖、ユッキーの姿でここに姿を表すとは、許せんやつらだ。

   灰一つ残さないように滅してやるよ。」

   と言いながら、次の矢を放った。

   今度の矢には、火の力が込められていた。


  「ケンちゃん、私は擬態じゃない。

   こっちのヒロミは人間じゃないけど、事情を聞いて、

   私が連れてきた。お願いだから、矢を放たないで!」


  「お前が本物の証拠はあるのか?」


私は、髪の毛で普段は見えない左頬の上に残っている矢傷を見せて、


 「この傷、ケンちゃんの10歳の誕生日に練習中に悪ふざけをして、

  矢がカスってできた、その時に血がいっぱい出て、、」


 「ユッキー、もういい。分かった。

  ヒロミさん、まずは久しぶりにユッキーと話をさせて貰う。

  その後で、あなたの話も聞くが、ここではなく、

  力が発揮できない結界の間でなら、それでいいか?」


  結界の間、間違いなくトト様の封印の力、不思議そうにジンは

女の子の姿以外にはなれない自分の手を見つめていた。固形種の感覚は

こんなのだったのですね。全く、何にも変幻できない。するとユッキー

と剣也が入ってきた。ユッキーは恥ずかしそうだったが、巫女の姿に

なっていた。

  

「話は聞いた。世界に混乱が起きていて、それが君の種族が元凶、

 でも君の手に余るから、助けが欲しい。その助けてくれる相手が

 この神社のにゆかりのもの、、ここまでは理解できるが、

 そのトトとい名前の存在を私は知らないし、この神社の歴史に

 関わりがある名前ではない。」


 「しかし、この結界術は、間違いなくトト様のもの。

  そして、トト様は、この国の言い方ならば、朱鷺様であり、

  時間と次元を司る存在。ヨーロッパ神話の中では古代神であり、

  我らの創造主」


  「君のいう通り、この神社の名前には朱鷺が付いている。

   この朱鷺とは、御神体のことであり、時を意味すると

   言われている。この神社の古き言い伝えには、時空を越える

   存在や場所があると書いている。そして、この結界の間は、

   いかなる火事でも地震でも良からぬ者の襲撃にでも

   耐えてきた場所で、いつ建立されたかわからない場所、

   いつ頃からかわからないが、この建物は、損傷も劣化も

   金属の錆一つ起きない場所」


   ヒロミが一言言った。


   「ゼロ時間空間ですね。」


   「ああ、高校生の頃、土曜日の朝10時からここで二日間篭って

    剣術の稽古をしたことがある。表に出て、母さんにシャワー

    浴びて高校に行くと言うと、何馬鹿なこと言ってんのよ。

    まだ土曜日の10時過ぎでしょ。

    どこかで居眠りでもしていたの?と言われたことがある。」


   「ここは間違いなく、トト、いやここでは朱鷺様の部屋ですね。」


  ここで、急に異変が起きた。先ほどまでとは明らかに異なる表情の

剣也が立ち上がり、優しい表情で、


 「あの時、.マルチバースに放った可変種だね。

  ワールドオーダー 世界の秩序の監視役としてだ。」

  と述べた。


 「朱鷺様、世界が人間に自らに愚かさで滅亡することは放置、

  でも人間の意志に反して、外部の力で崩壊する場合は救え

  というオーダーでしたよね。でも今回は我らの一族が元凶

  なのです。」


  「例えば、人間の魂欲しさに戦争を起こしたやつとか?」


  「ご存じなのですか?」


「困ったちゃんだね、あの世界ごと消滅させるのも手なんだけど、

   どうしても裏で手を引いている奴が分かりにくくて、

   今放置しているのさ。元凶を断たないと同じことが、

   これからも無数に起きるし。」


  「今回の件は、無限に存在するマルチバース世界の中に似通った

   三つの世界があるとしよう。その三つは微妙な違いながら

   同じような歴史を歩んでいる。でも、私みたいな超自然的存在が、

   その三つの共通要素を利用して、世界を混乱させているとしたら

   どうする?」


  「ご存じなのですか?」


  「察知はすぐだったけど、どうしたものか?」


  「ウォッチャールール、一つの次元世界にウォッチャーは一人。

   これを一時凍結して、私を次元移動可能にしていただけない

   でしょうか?」


  「仮に君を次元移動可能にしたとしても、どうする?

   その異常行動の可変種を抹殺する。これが一番簡単だよね。

   でも、黒幕は逃げてしまう。仮に監視を続けて、黒幕の正体が

   分かったとして、君に対処できるかね。

   多分、相手は神レベルか妖王か魔王レベルだよ。」


  朱鷺という古代神は、少し考えて、


 「うん、分かった。今から剣也に啓示を与えて、

  二日後また彼に降臨するから、その時にまたここに来て。

  それから、そこのユッキーさん、一度、君の神社に帰りなさい。

  そろそろ剣也が目覚める。もう彼は君たちを敵視しない。

  ある啓示を与えたが、内容は聞かないで欲しい。

  尚、彼は僕のことを目覚めた瞬間忘れるから話を合わせといてね。」


  「最後に御門雪風さん、今回のことを成功させる最大のヒントだよ。

   この朱鷺御門神社が時と次元の神社とすれば、君の神社は何の神社

   なんだい。まさか地元の君が、月の女神の導きを表す和布刈神社が

   ワカメを狩る神社とは思っていないだろう。

   では、再度問いかけるよ。


   藤御門神社に藤は何の象徴なのかね?」









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