2章07 『辿る足跡、迫る足音』 ③


 美景台総合病院一般病棟個室――



「お疲れさま、ゆうくんっ」


「あぁ、遅くなって悪かったな」



 メロを希咲への捨て駒とした後、神経質に追手を警戒しながら迂回と遠回りをし、弥堂は愛苗の見舞いに病室を訪れていた。



「あれ? メロちゃんは?」


「あいつならバッタを追いかけてどこかへ勝手に走って行った。そのうち戻ってくるんじゃないか」


「そっかぁ。ネコさんだからしょうがないよね」


「そうだな。ネコさんだしな」



 ちなみにギャルの捕虜となったおバカなネコさんは這う這うの体で水無瀬家を脱走し、現在は泣きながらこの病院への道を走っている。



「体調はどうだ?」



 弥堂は手に持っていたアタッシュケースを足元に置くと、愛苗が座るベッド近くのサイドチェストへ向かう。チェストの上に自分のスマホを画面を下に向けて置き、それから丸椅子を引き寄せた。



「うん、元気いっぱいだよっ」



 愛苗ちゃんは両腕を肩の上で伸ばしたり曲げたりしながら自身の好調をアピールする。


 元気モリモリのポーズだ。



「ゆうくんは元気?」


「あ? あぁ……」



 弥堂は適当に返事をしながらベッド脇に座り、愛苗の背後をチラリと魔眼で見遣った。



 ポーズをキメたままの彼女のパジャマの背中からスルスルと不可視の糸が伸びていく。


 霊子の糸だ。



 それらは弥堂がサイドチェストに置いたスマホに取り付いた。


 するとスマホとチェストとの接地面から僅かに光が覗く。


 ここに来るまでに念話で、見舞い中に仕事をやっておくようにエアリスに指示をしていたのだ。



 スマホの起動を確認して弥堂が魔眼を解除したその時――



 愛苗ちゃんのお鼻がクンクンと動く。



「ゆうくん、スマホ呼んでるよ?」


「ん? 着信のことか? ないぞ?」


「え? そう? なんか今鳴ってたような……」


「気のせいじゃないのか」



 首を傾げて「あれー?」と不思議そうにする愛苗を、弥堂は適当にあしらう。



(……こいつ。まさか直感的に霊子を知覚しているのか……?)



 普通はそんなわけはないのだが彼女ならありえるかもしれないと、目の前の少女の才能に関心と慄きを同時に感じる。



 これ以上このことに興味を持たれても困るので、適当に話題を逸らすことにした。



「ところで水無瀬……」



 しかし見切り発車で呼びかけたはいいものの、弥堂のトークスキルでは咄嗟に自然な話題が出てこなかった。


 ここのところほぼ毎日彼女と話していることだし、正直なところ話すことがあまりない。


 それに、弥堂にとって重要な話題の殆どは彼女に聞かせるわけにはいかないことばかりなので、尚更思いつかなかった。



「なぁに? ゆうくん」



 ニコニコと笑いながら愛苗は小首を傾げる。


 仕方ないので、弥堂はここに来てから気になってはいたが、あまり触れたくなかったことに言及することにした。



「お前その……」


「……?」



 だが、コミュ障男はここでも適切な言い回しが出て来ずに言葉に詰まる。


 脅迫や詐欺をするなら勝手に言葉が出てくるのになと考えつつ、弥堂は諦めてストレートに聞くことにした。



「なんで呼び方が変わったんだ?」


「えっ?」



 率直に尋ねてみる。



「えっとね……」



 すると、愛苗ちゃんはなにやらモジモジとした。


 どうやら彼女なりに何か事情があるようだ。



「あのね? 私と弥堂くんは家族じゃない?」


「……?」



 そのような事実はなかったはずだがと、弥堂は彼女の“ごせつめい”に首を傾げる。



「あのね、リンカさんがね……?」


「リンカ?」


「ほら、弥堂くんとメロちゃんがスカートめくりしちゃったお姉さんいたじゃない?」


「あぁ……」



 ギャルナースさんのことだと理解する。



「リンカさんにね、どうして名字で呼び合ってるの? って聞かれて。それでね、私、そっかーって思ったの」


「……そうか」



 何を言っているのかはわからないが、何を言いたいのかは何となく弥堂にもわかった。



「だからね、“ゆうくん”って呼んでもいーい?」


「…………」



 どうやらそれで“ごせつめい”は完了のようで、彼女はすかさず今度は“おねがい”を繰り出してきた。


 コテンと首を傾げる彼女の顔をジッと視る。



 呪いのブラと同じ呼び方をされるのは少し気分がよくないが、だが確かにそうだなと納得もする。


 それにわざわざ断るようなことでもない。


 なので、大して考えもせずに許可を出すことにした。



「別に。構わないが……」


「やったぁ。えへへ、よろしくねゆうくんっ」


「よろしくはとっくにしてるだろ……」



 それよりも、呼び方を変えるとしてもそのチョイスが“それ”になるのは――



(こいつ、実は念話も聴きとれてたりしないだろうな……?)



 エアリスの呼び方に影響されているのではないかと疑う。


 今まで彼女以外にそう呼ばれたことなどないからだ。



「じゃあ、私のことは“まな”って呼んでね?」


「…………」



 それには少しだけ考える。


 だが、彼女がそれでいいのなら別にもういいかと弥堂は答えを決めた。



「わかったよ。愛苗」



 彼女の望む通りに答える。



 だがそうしてから、これも不自然なのではないかと眉を寄せた。



 彼女が言うように、偽造した身分である家族という設定を守るのならば、弥堂は愛苗の兄ということになる。


 それなら結局妹に名前で呼ばせるのもおかしな話で、不自然なことなのではないかと遅れて気が付いた。



「おい、愛苗……」


「え?」



 そのことを彼女へ告げようとしたが、キョトンとした目のその顔を見ているとやはり言葉が続かない。


 この幼げな顔の同級生に自分のことを『お兄ちゃん』と呼ぶように要求するのはどこか憚られたのだ。



「ゆーうくんっ」


「なんだ」



 そうして弥堂が呼びかけたまま黙っていると、愛苗ちゃんはどうも『ゆうくんがお名前の呼びっこをしたがっている』と解釈をしたようだ。



「ゆーうくんっ」


「なんだよ」


「ゆーうくんっ」


「…………」



 まさかいちいち名前で呼び返してやらねば終わらないのかと弥堂はゾッとする。


 だが、それを確かめてしまうと自分もやらなければならなくなるので、弥堂は「えへへ」と笑う彼女の顔を黙ってジッと見た。



 そうして、名前を呼ぶだけで嬉しそうにしている彼女の好きにさせていると――



「――エ、エライ目にあったッス……」



――病室の窓がカラカラと開き、どこかゲッソリとした風のネコさんが部屋に入って来た。



「あ、メロちゃん。おかえりー」


「ただいまぁッス……」



 ヘロヘロになりながらメロは愛苗に寄っていくと、彼女のお胸にグイグイとおでこを押し付けて甘えた。



「メロちゃん。バッタさん捕まえちゃったの?」


「え? バッタ?」


「うん。ゆうくんがね、メロちゃんがバッタさん追いかけていっちゃったって」


「は?」



 一体何の話だと、メロは自分を見殺しにしたクソ野郎の方を見る。



「……そ、それが悔しいことに逃げられちまったんッス」


「そうなんだー」



 すると、ほんの僅かの温度すら感じさせない冷徹な眼で、ジッと観察するように見下されていた。秒でビビったメロは反射的に適当なことを言って話を合わせた。



「…………」



 あの眼は、自分が裏切ったのかそうでないのかを見定めているに違いないと、怯えたネコさんはプルプルと震える。



「ゆうくん、バッタさんいないんだって」


「今俺も聞いてただろ」


「あ、そっか。残念だけど勝手に捕まえたらバッタさんも可哀想だし、ガマンしてね?」


「まるで俺がバッタを欲しがっていたかのような物言いはやめてもらおうか」



 そこでメロは二人の会話に違和感を覚える。



「あれ? マナ、コイツの呼び方変えたんッスか?」


「え? うん。お名前で呼びっこしようねって、さっきお約束したの」


「なななな、なんだってー⁉」



 知らされた事実にメロはびっくり仰天する。


 そしてすぐに愛苗に詰め寄った。



「ヒドイッス!」


「え?」


「ジブンがちょっと目を離した隙に『名前呼びイベント』を消化しちまうなんて……! あんまりッス!」


「いべんと……? メロちゃんも一緒にお約束したかったの?」


「いーや、ジブンはただ鑑賞をさせて頂ければ。ということでリプレイをお願いするッス」


「うん……と……? もっかいやればいいのかな……?」



 不思議そうに首を傾げながら愛苗は弥堂の方へ顔を向ける。



「えと……、あのね? リンカさんがね?」


「そこからやり直さなくたっていいだろ」


「あ、そっか。じゃあ、まなって呼んでね? ゆーうくんっ」


「……わかった。愛苗。これでもう勘弁してくれ」



 大人になり切れない男は、子供じみたやり取りをするのに激しい抵抗感を感じる。両手を上げてギブアップ宣言をした。


 そして、さっき床に置いたばかりの荷物を何故か手に持ち立ち上がる。


 それから「便所に行ってくる」と言い残し、病室の外へ出て行ってしまった。



「にゃししし……」



 いい感じにやりこめて復讐を果たしてやったと、敵の無様な逃亡を確認したメロはほくそ笑む。



「マナ、マナっ。アイツが帰ってきたら今度は“お兄ちゃん”って言ってやれッス」



 そしてさらにヤツを追い込むべく、愛苗ちゃんに余計なことを吹き込んだ。


 だが――



「え? なんで?」


「その方がアイツが喜ぶかもしれねえッス」


「そうなの? でも、私お嫁さんだし……」


「まぁまぁ、騙されたと思って……、えっ?」



 厭らしい笑みを浮かべながら幼気な少女を騙そうとしていた悪魔は、愛苗の物言いに違和感を覚えて真顔になる。



「えっと……、マナ……?」


「なぁに? メロちゃん」


「今、なんて?」


「え? よくわかんないけど、私お嫁さんなのになーって……」


「…………」



 メロはサァーっと顔を青褪めさせる。



(な、なんか勘違いしてるぅーーッ⁉)



 どうやら、弥堂の『家族になろう』という言葉を、愛苗ちゃんは『結婚しよう』という意味に受け取っていたようだった。



「あ、あんな、マナ……?」



 絶対にあの男にそんなつもりはない。


 あれは女性に対して何らかの責任をとるようなタイプの男ではないのだ。



 早めにこの勘違いを正してやらねばと、メロは彼女へ真実を伝えようとするが――



(――いや、待てよ……?)



 その直前で、今日一度も役に立っていない閃きが再びネコさん頭脳に奔る。



(これは、このままの方が面白いことになるのでは?)



 悪魔的直感がそう告げている。


 この勘違いを残しておいた方が、可愛い愛苗ちゃんをいっぱい見られるし、何よりあのクズ男を困らせることが出来る。


 メロは己の悪魔的発想にニヤリと嗤った。



「……? どうしたのメロちゃん」


「……いや、これから大変だと思うッスけど、マナはお嫁さんだから頑張らなきゃなんねえッスね?」


「うんっ。私いっぱいがんばるねっ! お嫁さんだからっ!」



 こうして弥堂の知らないところで、また新たな誤認が生まれていた。



(ククク……、少年め。あとで冷や汗をかくといいッス……!)



 そんな風に内心で憎きクズ男に勝ち誇っていると――



《おい、クソネコ――》


「ニャヒィーンッ⁉」



 突然念話でそのクズから話しかけられる。


 繋ぎっぱなしになっていたことを失念していたので、心臓がドキドキと撥ねた。



「にゃひーん?」


「い、いや、なんでもねえッス……。ただのおウマさんのモノマネッス」


「わ、そうなんだ。上手だね」



 メロは愛苗に誤魔化しを入れてから弥堂に返事をする。



《な、なんッスか? ジブン裏切ってねえッスよ?》


《……何故聞いてもいないのにそんなことを主張した? 怪しいな。お前。どういうつもりだ?》


《コワイコワイコワイ……! オマエがそうだからジブンはこうなっちゃうんッスよ!》



 これに関しては誤解ではなかったのだが、メロはあの恐ろしい蒼い眼を想像して慌てて容疑を否定した。



《……まぁいい。お前ちょっと出て来い》


《……? どこに?》


《お前を連れて行く所がある。便所の前で待ってるから来い》


《べ、べんじょ……? ジブンまさかヤキ入れられるんッスか⁉》


《待ち合わせに使うだけだ。一緒に行くのは外科の部屋だ》


《まままままさか……⁉ オマエ、ジブンを解剖する気ッスか⁉》


《なんでだよ》


《イヤッス! ジブン、オペはイヤッス!》


《うるさい黙れ。いいからさっさと来い。殺すぞ》


《早くしなさいよメロカス。これ以上ユウくんを待たせるなら、このワタシの聖女的加護がオマエを解剖するわよ》


《ひっ、ひぃぃぃ……っ》



 ダブルで脅迫の声を心に直接届けられ、メロはヨロヨロと歩きだす。



「あれ? メロちゃんまたお出かけするの?」


「う、うん……、ジブンちょっとトイレ行ってくるッス……」


「あ、そうなんだね。いってらっしゃい」


「またあとでッス……」



 消沈しながらメロは前足で器用に病室のドアを開けて、四つ足で廊下へと出て行った。



「あれ……?」



 ドアが閉まってから愛苗ちゃんは首を傾げる。



「ネコさんが病院のおトイレ使っても大丈夫なのかな……?」



 そう疑問を感じるが――



――メロちゃんはお利口さんだしきっと大丈夫だよねと、お気楽な彼女はそのように自己解決した。








「――な、なんッスか? ジブンなんにもゲロってねえッスよ」


「いいから黙って歩け」



 弥堂とメロは病院内の廊下を歩いている。



「ち、ちゃんとネコさんとして誤魔化しきったッス。バレてねえッス」


「そういう言い訳は重ねれば重ねるほど信用が薄れるんだ。聞いてもいないのに勝手に喋ると特にな」


「だ、だってオマエすぐに疑うじゃねえッスか!」


「安心しろ。お前が何を言っても言わなくてもどうせ信用しない」


「ジブン詰んでんじゃねーッスか!」


「いいから人間の姿になれ」



 必死に命乞いをしてくる使い魔に弥堂は変化を命じた。



「な、なにをする気ッスか……?」


「いいからさっさと言われたとおりにしろ。着いてくればわかる」



 これ以上口答えをすると身の危険があるかもしれないと、メロは大人しく従った。


 ボフンと煙を出してメスガキフォームになり弥堂の隣を歩く。



「変身する時は人目を気にする必要があったんじゃないのか?」


「あ、そういえばそうだったッス」


「…………」



 こいつは自分が思っていた以上に迂闊で無能なのではと、弥堂は女児の処分を検討した。



「ところでどこに向かってるんッスか?」


「すぐにわかる」



 何度か曲がって少しすると、それまで居た場所とは少し雰囲気が変わってくる。


 弥堂たちが向かっているのは医局と呼ばれる医者たちの控室のような場所だった。



 一般の患者や病院利用者が立ち入るような場所ではないが、弥堂は慣れた様子で歩いている。


 メロは居心地が悪そうにキョロキョロとしながら弥堂に話しかけた。



「オマエよく知らないとこを迷わないで歩けるッスね。ジブンやっぱ建物の中はちょっと苦手ッス」


「定期的に出入りする場所や長居をしなければならないような場所なら、普通は逃走ルートを用意する為にまず内部構造を把握するだろ」


「フツーは逃走ルートなんて必要ないんッスよ」


「なら俺たちは普通じゃないから何も間違っていないな」


「ヘリクツばっかッス!」



 コミュ障に言い負けた女児はプンプンと憤慨する。



「でもアレッスよ」


「どれだよ」


「我々ネコさんはビックリすると一目散に走ってく癖があるッスから、逃走ルートとかあってもあんま役に立たないんッスよね」


「それで車道に飛び出して車に轢かれるんだろ? お前ら猫って本当に馬鹿だよな」


「オマエだってこないだサイみてえなヤツに轢き殺されまくってたじゃねえッスか」


「おい、あのサイ野郎はどこの悪魔だ。言え。隠すと為にならんぞ」


「は? オマエがぶっ殺したんじゃねえんッスか?」



 どうでもいい話をしながら歩いていると、やがて弥堂が一つの部屋の前で立ち止まる。



「おっとと……」


「ここだ」


「え?」



 通り過ぎそうになって慌てて立ち止まったことでバランスを崩したメロは、態勢を戻しながらその部屋のドアを見上げる。


『外科部長室』とプレートに記されていた。



「マナの病気のことを聞きにきたんッスか?」



 彼女の担当医は女性医師だったが、「あのお姉さんエライ人だったのか?」とメロは首を傾げる。



「水無瀬の病気のことを指示しに来たんだ」


「は?」



 意味不明なことを言いながら、弥堂はノックもせずにドアノブを回す。


 しかし、鍵がかかっているようでそのドアは開かなかった。


 スッと弥堂の眼が細められる。



 メロが扉をもう一度見上げるとそこにはもう一枚プレートがぶら下がっていた。



「『外出中』って書いてあるッスよ?」


「…………」



 メロの指摘を無視して、弥堂は腰の後ろに手を回す。


 その手にはいつもの黒いナイフだ。



 人の病気やケガを治す為の施設で、突然人を殺す為の刃物を抜いた男にメロはギョッとする。



 そして弥堂は躊躇いなくそのナイフを、ドアとドア枠の隙間にぶっ刺した。


 バキンッと犯罪的な音が静かな医局の廊下に響く。



「オ、オマエいきなり――」



『なにやってんだ?』とメロが続ける前に、弥堂はそのドアに靴裏を叩きこんだ。


 またも犯罪的な音が鳴り、勢いよくそのドアが開かれる。



 メロが絶句しながら「あれ? ここって病院だったよな?」と己の居場所を見失っているのを他所に、弥堂はズカズカと部屋の中に踏み込んで行った。


 すると、すぐに部屋の中から女性の悲鳴が轟く。



「ななななな……っ⁉」



 事態に着いていけないままメロが呆然としていると、バタバタといった足音と共に外科部長室から一人の若い女性が胸元を押さえながら走り出てくる。



「ご、ごめんなさい……っ!」



 その女性ナースさんは着衣の乱れを直しながら廊下を走り去って行った。



「…………」



 メロは茫然としたままその後ろ姿を見送り、遅れてハッとする。



「にゃ、にゃべー……、なんもわかんねーけど、とりあえずにゃべーッス……!」



 それだけは彼女にもわかった。



 慌てて周囲の人目を確認し、平和でなければいけないはずの病院内で突如強盗現場となってしまった部屋に自分も入りこむ。


 そして蹴破られたドアを急いで閉めて自身の関係者の犯行を隠した。



 悪魔よりも猫よりも非常識な自分のご主人様の行動に、メロはまたも泣きたくなってしまった。

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