22.反撃開始
「――一気に叩くぞ」
そう不敵に笑んだ
「まず蒼、お前にはこの調子で結界を破ってもらう」
あまりにもキッパリと言われ、蒼は目を丸くした。そんな蒼に、一鞘は先を続けた。
その計画は、かなり賭けだった。こちらの呪力が尽きるか、妖の限界が先に来るか。
「のるか? この案」
すべてを話し終えた一鞘が、蒼と姫織の顔を改めて見た。
「……こんなに面白いのに、のらないワケない」
姫織が先に、はっきりとうなずいてみせた。
面白い、という言葉が、蒼の心を捉える。
「……あたしものる。やらなきゃ、面白くない!」
まだ不安はある。でももう、ただ泣いて途方に暮れていたくないし、負けたくもない。蒼もうなずいた。この2人を、無条件で信じられる。――いや、それだけのものを、2人は既に蒼に見せている。
「そう来なくっちゃな」
一鞘がニッと笑った。
作戦、開始である。
蒼は自分の立っているところから1番近い、苔むした壁に向けて両腕をまっすぐに伸ばしていた。両手の平を、緑の壁に向けている状態だ。
心臓がドクドクと、いつもより速く鼓動する。蒼はゆっくりと息を吸って、吐き出した。冷たい汗が、首筋や背中を濡らしていく。
邪気が不自然にブツリと途切れている位置なら分かる。しめ縄の位置も。ちょうど、蒼達のいる高さにある。そうして、ここを中心に、ぐるりと囲んでいる。そこまで分かると、無数の根がそれを支えているのも感じ取れた。
父から教わったことといえば、体術に気配の感じ取り方、そして妖のこと。術についてはほとんど学校で習ったことぐらいしか知らないし、術の訓練を一般家庭で頻繁にできるワケもないから、呪力量も13歳の平均値ぐらいしかない。
そして気配に敏感な分、どれだけ困難なことも分かってしまう。
『でも、あたし……結界を壊すほどの呪力なんて』
自分が結界を壊す役割だと言われた時、蒼はそう首を横にふった。しかし一鞘は、こう言ったのだ。
『大丈夫だ。おれが呪力を貸してやる』
事もなげに、そう。
「――しめ縄の位置、分かったか?」
「うん……。分かる」
しかし、具体的にどうやって呪力を貸すのかはまだ教わっていなかった。上手くいくかも分からない。こちらに投げかけられた一鞘からの問いに、蒼は緊張しながらもうなずいた。
「それで充分だ」
そう言った一鞘が、当たり前のように蒼のすぐ隣に並んだ。そうして、前に突き出す蒼の両手を――情けないことに震えてしまっている――に、手を添えた。一鞘の右手の甲が、不自然に腫れ上がっているのが目に入り、ハッとした。さっき、粘液が何であるか確かめる為に触れていた箇所だ。
一鞘は蒼の手が震えていることには触れなかった。代わりに、その両手を取って位置を調整される。両手の、指の部分だけを重ねるような形に直された。
「お前は多分、こっちの方が狙いを定めやすいんじゃないか」
「え……」
思いがけない指摘に目を丸くする蒼の両手に、一鞘が片手だけを重ねた。すぐ横に一鞘の顔がある。今にも触れ合いそうなほどの近さに、蒼の肩がビクリと跳ね上がった。一鞘はしかし、苔むした壁を――その向こうにあるしめ縄だけを見据えている。
「お前、細かい調整だとか正確に的を射貫くだとか、苦手だろ」
突然図星を指され、蒼はぐっと詰まった。それだけで、大当たりだと分かったのだろう。一鞘がさらに続けた。
「呪学の実技で、変なところに『
そう言って、クスリと笑う気配。蒼は、手が触れ合っていることや距離がとてつもなく近いことだけで顔が熱くなっていたのに、お陰でもっとあっつくなった。恥ずかしい過去を指摘されたこともそうだけど、そうやって、優しく笑われたことに。
「お前はしめ縄を捉えてくれればいい。後はお前のタイミングに合わせて、おれが手伝う」
一鞘の声は落ち着いていた。蒼はハッとして、近くにある一鞘の横顔を見た。一鞘は相変わらず前だけを見据えたまま続ける。
「集中するのは一瞬だけでいい。しめ縄を切る、その時だけで」
「……一瞬……」
「呪力については心配しなくていい。お前は見て、捉えるだけで」
一鞘の落ち着いた声に、蒼も自然と、心が静まっていく。
「望遠鏡になったとでも思えばいいんだ。おれにしめ縄の位置を示してくれる」
お前はレンズだ、と一鞘が冗談めかしたように言う。……こんな状況だというのに、笑うのだ。この男は。
「分かった……あたし、一鞘の目になる」
一鞘が、目を見開いてこちらを見た気がした。しかし、蒼はもう前だけを見据えていた。
両手の平を向けた先、目を閉じてしめ縄の呪力へと意識を運ぶ。自分と一鞘の位置から1番近いしめ縄の部分。そこへと集中した。
(確かに、こっちの構え方の方が狙いを定めやすいかも)
いつもはただ両手の平を真ん前に突き出すだけであったが、その時よりも集中しやすくなっている気がした。
さっき一鞘が指摘したように、蒼は一点集中というものが苦手だ。集中しなくちゃと思えば思うほど、意識が散らばっていく。術の精度は低く、緻密に正確に練り上げるということができない。
しかし構え方を変え、やるべきことを至ってシンプルに示された今、こわいものはなかった。だって隣に一鞘がいてくれる。姫織だっている。
お父さんから教わったことを、活かしたい。活かして、生きて3人でここから出たい……!!!
――見抜け。
父の声で、聞こえた気がした。
「「――『
四礎とは、〈焔〉、〈水流〉、〈大気〉、〈地心〉の4つのことを言う。これらはそれぞれ、火、水、風、土のことだけを表しているのではない。
『鉄気』――それは人の内にある血に応じて瞬時に呪力を熱し、刃を生じさせる術。
「鉄」は、〈焔〉と〈地心〉に属する。〈焔〉を使うのだから、当然姫織の言っていた「オート機能」が働く。……あちこちで、ぐわりと目玉が開かれる。目玉は、脳だ。司令塔だ。〈焔〉を使わせまいと、鋭い枝が四方八方から蒼と一鞘を貫かんと伸びてくるが、
「……地の利よ、地と隔絶したる我が呪力を以て邪を絶つ鎮守の陣を為せ‼」
姫織が言の葉を唱え、いくつもの小石を投げた方が先だった。
小石は、姫織が森の中で拾っていたものだった。いくら妖の邪気で充満していたとはいえ、そこにあった石は、それよりずっと前から地の恩恵を――地の利を得ている。それを利用すれば、結界は構築できる。
投げられた小石は、蒼と一鞘の頭上に放たれ降り注ぐかと思いきや、宙に固定されたように留まった。それらが、光の線で星座のように結ばれる。青みがかった薄黄緑色。そうして光の陣が張られ、飛んできた枝はそれに当たるや火花をバチリと上げてすべて弾き返された。
しかし、この結界がもつのはあくまでも一瞬だけの話。結界は、〈言〉という短い言の葉で構築できるほど単純な術ではない。もっと長く、深く言の葉を紡ぎ、捧げなければならない。姫織の早口でのこの詠唱は、蒼からすれば充分にスゴイのだがそれでもすぐに消えてしまうのだ。
だが、それで充分だった。
その間に――蒼と一鞘の呪力は、確かにしめ縄を捉えていた。
一瞬で練り上げられた熱と、それによって作り出された鉄の刃。一鞘の手が加わったことで、高密度の呪力が錬成された。それが確かに、しめ縄をブチリとちぎった。その手応えを、ハッキリとこの身に感じた。
――アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼
「……っ‼」
植物体の妖は、言語を持ち合わせていない。言葉を話すこともない。そうした頭脳がない。
にもかかわらず、その悲鳴のようなものが蒼の脳天を直撃した。実際は、邪気そのものの“悲鳴”を全身で感じ取っていた。
「おい!」
ぐらりと傾ぐ蒼の体を、一鞘が支えた。
「まだ終わってない。……次だ‼」
大丈夫か、とか、お前は休んでろ、とは言われなかった。それでいい。それがいいのだ。
「うん……‼」
蒼がうなずき、2人は正反対の方向へと駆け出した。姫織を含めて3人、あの口を中心に均等な位置に立たなければならない。ここだという位置で止まり、標的へと即座に向き直る。
緑の口に向ける両手の平は隣り合わせ。その指の部分だけを重ね合わせる。
「――いくぞ‼」
一鞘の掛け声に、蒼はキッと粘液を吐き出し続ける口を睨みつけた。口を開く前から、呪力が自然と高まっていく。
「「「――『水立』‼」」」
3つの声が揃った。〈水流〉に呼びかける〈言〉。それにより、純然たる水が溢れ返り、粘液が湧き上がる穴に吸い込まれていく。
――結界が破れて龍脈の力が流れ込んできたら、妖は間違いなく弱体化する。本能で動く植物体だ、手近にある餌を食べて何とか回復しようとするだろう。
結界が壊された時、まず間違いなく狙われるのはおれ達だ、と。一鞘が言っていた言葉がよぎる。今までの慎重さもかなぐり捨てて、全力で襲いかかって来るだろう、と。
――だからあの口の中に『水立』を喰らわす。
自分達以外の、分かりやすい餌が必要だった。呪力でできた水は、植物体の妖が渇望する。龍脈の力で弱らせられたらなおさらだ。ゴボ、ゴボボッと不快な音を立て、緑の口は呪力の水を勢いよく飲み込んでいく。
そしてそれを飲めば、妖力が増す――……。
「……ッ‼」
邪気が強まり、ビリビリと肌を刺してくる。脛のあたりまで到達していた粘液が、毒性を強めている。
蒼は顔をゆがめたが、それでも勢いを止めなかった。
――洪水起こすぐらいの気合いでやるぞ。
一鞘にそう言われている。蒼はさらに力を込めた。
――ここからは賭けだ。
蒼と一鞘とで結界を破る、少し前。防音の結界の中で、一鞘は策略を聞かせた。
――本体にとにかく、『水立』を飲ませ続ける。
それだと妖力が増すと地上で怒られていた蒼は、えっと思わず声を上げた。そんな蒼に、「まぁ聞けよ」と一鞘が笑んだ。
――……恐らく呪力の水をどんどん吸収して妖力を増していくだろうな。だがこの妖は植物体。所詮は植物だ。水を与え続ければ……、どうなる?
一体どれだけ呪力を注ぎ続けたのだろう。やがて無限だと思われていた妖の吸収量にも限界が見えてきた。
龍脈の力のないところであれば、それこそいつまでも水を飲み込んでいられただろう。だが龍脈の力を浴びている今、妖は弱っている。与えられる力を外へ逃がすだけの力はないし、弱っている状態では呪力の水を――外部の栄養を受け止める器そのものが小さくなっている。容量が大幅に狭まっているのだ。
水を飲み込む音が変化する。えづくように、ぐぽりと泡が吐き出されて、蒼達の膝にまで到達していた粘液が波打った。それだけで、あっという間に腰まで到達する。呪力の水なのか粘液なのか分からない飛沫が弾ける。とうとう、源泉が水を受け止め切れなくて水を吐き出しかけ、
「今更……、やめてやるかぁぁぁ―――――っ‼」
より一層水の勢いを強めた。
吐き出そうになりながらも水を吸収し続けていた口から、とうとう水が――妖の生み出した粘液ではない、蒼達の呪力の水だ――どっと溢れ、津波のように蒼達に襲いかかった。
……ここからが賭けの最大の難関だ。蒼達と妖との、我慢比べ。
溢れる水の勢いにぐらりと体を持っていかれそうになりながらも、蒼は緑の口への『水立』をやめない。足を踏ん張り、体勢を立て直してなおも水を注ぎ続ける。
一鞘と姫織は無事だろうかという考えがチラリとよぎるも、そちらを見る余裕がない。2人の呪力がないかと探る余裕も。しかし、蒼は迷わなかった。きっと2人も続けている。だから蒼も続けなければ。
(……もういいやっ!)
倒れないよう足を踏ん張る分だけ、そちらに意識を持っていかれてしまう。今やるべきは、この『水立』だけ。蒼は大きく息を吸い込むと、溢れ返り首にまで達していた水の中へと潜った。そして、目を開けて緑の口のみを見据える。見続ける。
緑の空間はすぐに――水で満たされた。あっという間に蒼の身長を超え、巨大な半円状の空間から酸素が消え失せる。水の浮力に、地面から足が離れていく。水の溢れ返る音が途切れた代わりに、ゴボリと泡の生まれる音が鮮明に聞こえた。
水中でも、『水立』による水は視認できた。渦を描きながら、容赦なく口の中へと潜って行く。それが、3方向から。
蒼は体中の呪力を失う覚悟で力を注ぎ続けた。体は疲れ切っているし、息もそろそろ続かなくなりそうだ。呪力が今にも空っぽになりそうという感覚を、生まれて初めて味わっている。
ふと――お父さんもこんな気持ちで戦っていたのだろうか、と思った。
まさしく捨て身で戦いに挑むことが、こんなにも――誇らしい、なんて。全力で生きようとしているこの瞬間に、胸の底が震えた。
あたしは今、胸を張っていられる。そう思うと力が湧いた。きっと今、あたしも笑っている。
(――それに、1人じゃない)
自然と笑った口から、コポリと泡が漏れた、その時だった。
……ドオオォォォォォォォンッ‼
地響きがした、と思った次の瞬間には、まるで爆風に巻き込まれたように体が上へ上へと押し上げられていた。
胃がぐぅっと持ち上げられるような感覚に、蒼は止めていた息を全部吐き出してしまった。
(しまっ、)
がぼっ、と口から無数の泡が逃げて、
「――……、えっ?」
間抜けな声が口から出る。ふわっ、と体が浮き上がるような感覚。水がない、と遅れて理解する。
目の前に広がっているのは、夜空だ。晴れ渡った夜空に、星が無数に瞬いている。そして何故か、点々と明かりの灯る街が眼下に広がっている……。
「……えっ、えっ、わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――ッ⁉」
実際水と共に打ち上げられ、空に放り出されていた。やけに綺麗に映った景色のことなんて吹っ飛んだ。重力に逆らえず、みるみる落ちてゆく。
やばいこれ、さすがに死ぬっ! ……と思った時には、どぼぉん、とまたしても水の中にいた。
「がぼッ‼」
容赦なく水が鼻に入るし、水を飲んでしまった。慌てて水面から顔を出す。
「うっ……、げほっ、ごほっ!」
かなり咳き込んだ。頭がくらくらするのを堪えて下を見ると、自分を受け止めてくれたのは不自然に出来上がったまぁるい水の塊であった。顔に貼りついた髪を払いながら目をぱちくりさせていると、
「大丈夫っ⁉」
焦ったような若い女性の声が、遠くの方から聞こえてきた。こちらに駆け寄って来る姿に目を見開く。担任の
「ごめんなさい、咄嗟に水の術で受け止めるしか浮かばなくて……」
蒼が落ちたのは、茶音が術で作った大きな水泡の中であった。「今解くわね」と言ったのち、茶音が水泡を解呪する。水の支えを失い、情けなく倒れ込みそうになった蒼を、茶音がびしょ濡れになるのも厭わずに支えてくれた。
「いえ……、ありがとうございます……」
何だかもう茶音の存在が懐かしく思えてくる。火と水の天秤の出来事が、もう何年も前のことのように思えて、不思議な感じだ。実際は、数時間前の話なのに。まだ上手く状況が飲み込めていなかった。
「あの……何があって……」
「裏森を妖が支配して、森そのものを木蔦の壁で塞いでしまっていたの。上空から中の様子を見ようにも、葉が密集しててまるで見えないし、上空から近付いたら葉の刃が襲いかかってくる始末で……。高位の妖と思われる凄まじい邪気だったの。先生偵察で様子を見に来てたんだけど、突然地面が揺れて森の中から水が噴き上がったのよ。間欠泉みたいに、空高くまで……。その途端邪気が消えて森が普通の状態に戻ったんだけど、あなたが落ちてくるのが見えて、びっくりしちゃったわ」
それはさぞ心臓に悪い光景だっただろう。
(……助かったんだ……)
蒼はほーっと息を吐き出した。そう自覚すると、さらに全身から力が抜けていく。
改めてあたりを見渡すと、ここは裏森ではなく、学校の敷地内のようだった。少し離れたところに、森に繋がる裏門が見える。そしてその向こうには、夜闇に鬱蒼と広がる森が。
そこにはもう、邪気に満ちた禍々しい森はなかった。ただ木々がひっそりとそこにあるだけの、静かな森が佇んでいる。突破できなかった木蔦の壁はどこにもなく、木が点々と生えているのがここからでも見えた。まさか夜の森にこれほど安心感を抱くことになるとは、思ってもみなかった。
(あの人と会った夜の森は、あまりに禍々しかったから……)
だがそこまで考えて、ハッとした。
「あのっ、一鞘と姫織は……っ!」
いても立ってもいられず、立ち上がろうとする。しかし、足に力が入ったのはほんの一瞬で、またすぐに茶音に寄りかかってしまった。
「――ここにいるけど」
「!」
今1番、聞きたかった声。蒼は勢いよくふり向いた。そこには、
「よ、お疲れ」
全身ずぶ濡れ姿で軽く手を上げてみせる一鞘と、やはりずぶ濡れで若い男性教師におぶられ、ぐったりと目を閉じている姫織がいた。
2人とも、いつもすまし顔なのがウソのようにひどい有り様だった。服はあちこち破けて血がにじみ、泥でところどころ汚れている。
髪型もいつもとまるで違ってしまっていた。一鞘はいつもハーフアップにしているが、ヘアゴムがどこかに行ってしまったらしく完全に下ろしている状態。姫織の方は辛うじてヘアゴムは取れなかったらしいが、髪がぐしゃぐしゃにほつれていた。
蒼の方は、もっとひどい。ふたつ結びにしている内片方は完全にヘアゴムがどこかに行き、もう片方はかなり緩めに括っているだけ。それも今にも外れてしまいそうだ。あまりにもひどい有り様だったが、そんなことよりも目を閉じている姫織の顔が紙のように真っ白なことに心臓が冷える。
「姫織……っ⁉」
「大丈夫。呪力と体力を消耗して気を失っているだけだから」
姫織を背負っている教師が、安心させるようにニコリと笑いかけた。蒼達のクラスの呪具学担当の教師、
「よかっ……た……」
ほっと息を吐いた途端、意識が遠ざかった。誰かが自分の名を呼ぶ声がする。しかし、それが誰だか考えることすらできなかった。
(……3人で、生きて、帰れた)
ありがとう、お父さん――……。蒼は気を失うに近い眠りへと落ちていった。
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