第6話徳川家康VSアレクサンドロス大王に関羽ちゃん参戦!
「おいおい。おおそうじ。アレクサンドロスって誰?」
関羽ちゃんが初めて僕をあだ名で呼んでくれた。少し嬉しい。
「えーとですね。ネットの情報ですと」
「なーんだ。おおそうじも知らないのー。それじゃあ大したことねえんじゃね?」
そして僕はアレクサンドロス大王のことをネットで調べて驚愕した。
「関羽さん!関羽さん!大変です!アレクサンドロス大王さんのことを調べたらめちゃすごい人です!」
「えー、そうなのお?アレクサンドロスで草って感じじゃないのおwww」
「それがですね。えーと、紀元前三百三十年ぐらいですね。なんと十万人の敵軍に四万人で勝ってます!倍以上の相手に勝利したんですよ!」
「ほへー。そりゃあすごくて草。てか紀元前って何すか?」
「黄巾の乱が百八十四年ですからね。0年より前の時代を紀元前って言うんです。関羽さんの時代から大体五百年前ぐらいですね」
「マジっすか?それで十万人を四万人で打ち勝つとはちょいスゲえかも」
「しかも戦場が狭かったらしく土地の利を使って最後はアレクサンドロス大王自らが敵軍の大将に特攻かけて相手の大将が逃げたらしいですね」
「ほう…。そのアレクサンドロスちゃん。かなり強いね。一度お手合わせしたいもんだわ」
そして僕は思う。これって…。さすがの徳川家康さんもアレクサンドロス大王さんに挑戦状を叩きつけられて「サシでは勝てナーイ」と思って、同期の強そうな戦国武将たちにいろいろ声を掛けてるみたい。
「これはすごく面白そうですね」
「おおそうじの見立てだとどうなりそう?私はまあ勝てると思うけど。その徳川家康ちゃんって『泣かぬなら泣くまで待とう』の人でしょ?あんまり強くないじゃーん。無理無理。これは普通にやれば負けるねー。家康ちゃん。他のその『戦国武将』って強い奴いんの?」
「いますよ!織田信長さんに上杉謙信さんに武田信玄さんに伊達政宗さんに…、あとは…、この秀吉さんに。他にもたくさん強い人いるんですー」
「でも一人じゃ勝てないから『コラボ』して仲間集めてんでしょー。ヘタレじゃん」
徳川家康さんのことを…、『ヘタレ』って…。関羽さん!あなたも馬超さんにボロクソ言われて激怒してたじゃないですか!本人の前で言うと大変なことになりますよ!
「いえ、分かりませんよ。例えば関羽さんはお城とか知ってます?」
「お城?ああ、知ってるわよ。それぐらい」
「そのお城をたった一日で建てたんですよ。今、徳川家康さんと『コラボ』で動画に出ている豊臣秀吉さんは」
「きゃっは。なにそれー。おおそうじー。いくら私でもそれぐらい無理だって分かるわよー。どうせ張りぼての城とかじゃないのお?」
「さあ…それは分かりませんが。実際に秀吉の一夜城は有名な話です」
「へえ。この秀吉ちゃんもなかなか策士って言うか。会ってみたいなあ」
「会えますよ」
「マジ?どうやって?」
「この徳川家康さんに関羽さんを売り込みましょう!」
「はあ?何言っちゃってんの?売り込むって?なんで私が?私はそんな安い女じゃないんだかんね!」
そこで僕は策略を仕掛ける。
「はあ…。やっぱそうですよね…。いくら関羽さんがめちゃくちゃ強くてもアレクサンドロス大王さんと徳川家康さんの戦いに巻き込まれるのは恐いですよねえ。いえ、別にいいんです。誰だって怖いですもんねー」
「誰が怖いだって?この関羽ちゃんを舐めんじゃないわよ!」
関羽さんって意外と扱いやすいのね。
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