第3話関羽さんディスられる。
そして馬超さんが問題発言をする。
「いやね。ここで少し昔話を。『三国志』を皆さんが今でもゲームや漫画ですか?そういったもので楽しんでくれていることは馬超さんも嬉しいでーす」
「いいぞ!馬超!そっかそっか。こっちの世界では『三国志』が今でも語り継がれゲームや漫画とメディア展開されておるのか。すげーじゃん。いやー、実はやってる私たちもかなり面白かったもん。あれは受けるよー」
そう言いながらまんざらでもない表情で僕のスマホから流れる『馬超のコスモチャンネル』を視聴する関羽さん。そして。
「でもね。実際、この馬超さんもゲームをプレイしました!漫画も読みました!あれねえ…、え?言っていい?ホント?でも…、炎上しません?え?真実を?そうですよねー。まずね、『関羽』っているじゃないですかー。そうそう。え?今のは『曹操』と『そうそう』をかけたわけじゃないですからねー。まずあの『関羽』!実際には盛りすぎ!森杉君ぐらい盛りすぎですね。あんなに強くなかったですよ。え?質問?投げ銭きてる?『えー私は三十八歳独身女の紫式部ちゃんです。三国志マニアです。びっくりしてます。関羽は弱かったとのことですがどれぐらい弱かったのですか。それにまつわる逸話などありましたら教えてください。あと応援してます。頑張ってください』紫式部ちゃんありがとうね。ちゅっ(投げキッス)♡いやいや、これってあの『紫式部』さんご本人ですかね?まあ(笑)そうですね。逸話はたくさんありますよ。まず戦ではいつも部下の後ろに隠れてましたね。それで相手の武将にとどめを刺す時にしれーっと現れて手柄を持っていくっての?今でいうとこの、ほらあ、いるじゃないですかー。会社とかで部下の手柄をしれーっと持っていく上司とか。一言で表現したらあんな感じかなあ。え?『頭もよくて武力もあって文武両道』?ええええ!今の人たちにはそう伝わってんですかあ!?ないから!頭も悪かったですよ。そうですねえ。ご飯食べた直後に『あれ?わしってご飯食べたっけ?』っていつも言ってましたもん。痛いでしょ?それにですね。なんでもかんでも人の言葉をそのまま引用して『さも』自分が言ったみたいにしてましたねえ。あれは酷いと思ったもん。え?曹操からスカウトされた?ないから。そうねえ。黄忠さんとかこの馬超さんとかはそういう話はありましたね。各方面から。でも関羽はないねえ。だってあれですよ。他にも忠義心が強いとかないない。劉備さんも言ってましたから。公式で。『あいつに背中は見せられない』って。え?一騎打ち?うーん、言っていいのかなあ。あれも全部『張飛』がやっつけたのを自分がやっつけたことにしてたんですよ。いいのかなあ。これ言って。『関羽』チャンネルとかないんですか?」
え?そうだったんですか?と思いながら関羽さんを見る僕。体をぴくぴく震わせながら鬼の形相となっている関羽さん。
「馬超の野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!ふかしばっかりこきやがってええええええええええ!殺す!今すぐ殺す!秒で殺す!舐めてんじゃねえええええええええ!おい!私の『青龍偃月刀』をもてえええええええ!今すぐじゃあああああ!」
「いけません!関羽さん!暴れるとお巡りさんに捕まってアウトですよ!」
「知るかあ!このまま汚名を着せられたまま平然としてられるほど私ゃ人間出来てねえわああああああああ!」
パシーン!
僕は思わず関羽さんの顔にビンタをかました。頼む!冷静になってくれ!関羽さん!
「…」
さっきまで喚き散らしていた関羽さんが僕に打たれた左頬を抑え、俯きながら固まっている。よし!少しは冷静になってくれた!さすが関羽さん!ここは冷静に作戦を、これからについて僕と話し合いましょう!そう思っていた瞬間。体を震わせながら関羽さんが。
「…ったね…」
「はい?」
「…ったね…」
「え?もっと大きい声でお願いしますー」
「ぶったわね!あの劉備様にもぶたれたことないのにいいいいいいい!」
え?そうなの?僕は倍返しどころか十倍返しビンタを食らいながらそう思った。
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