主人公の誕生日の贈り物として、旧い友人から奇妙な日記が送られてくる。それは謎めいた言語で書かれており、とても主人公には読めるものではなかったが……
かつてSFのジャンルで〈時空を越えた書簡〉というモチーフが話題になっていた。本作もそれに連なるものかと思って読み進めると、何だか違う。
かつてミステリのジャンルで〈奇妙な味〉と呼ばれる作品群があった。謎解きに主眼を置かず、読後の不気味な余韻を楽しむものだ。さて、本作もその類いかと思って読み終わると、どちらかというと度肝を抜かれる。
この作品がどういうジャンルに属するのかは、読んでのお楽しみといったところ。差し当たって〈奇妙な味〉とラベリングしておくが、これもミスリードの一つと受け取っていただきたい。
とびきりのプレゼントをあなたに。