コレクター

バブみ道日丿宮組

お題:緩やかな瞳 制限時間:15分

コレクター

 病気があるから、目を取り出さなければならない。

 そう患者にいうと、皆困った様子になる。

 見えなくなるという恐怖、片目にかかる負担なんかを思い浮かべてるのだろう。

 はたして同意する。

 瞳から感染するという脅しが聞いたからだろう。

 青い顔を患者はよく向けてきた。


 そうして一年も経てば。

 

 自室の押入れの中には、目が入ったボトルが5本でてくる。

 ホルマリン漬けにしてるので、腐りはしない。

 瞳の色は、日本人の一般的な黒茶色から、欧米人の青いもの、白い目などたくさんだ。

 異常がある瞳があれば、ただちにこれらの中であっても感染するだろう。

 それが起こらないということは、つまりそういうことだ。

 

 異常なんて最初からなかった。


 コレクションにするがために、食用にするために切り取った。

 私のことは未だに犯罪として表に出てこない。

 切り取った目は回収してるし、異常がでれば、また訪れるように言ってある。

 目の病気は他の医者だと問題ないというであろう。

 だが、うちは違うと宣言すれば、患者は悩むこむ。それはチャンスに繋がる。

 目が欲しい私と、目の痛みを治して欲しい患者。

 ウィン・ウィンの関係がある。

 目の大体の病気は本体がなくなれば、収まる。

 違法を繰り返せば、いつかバレる。

 そういうこともあって、ある研究を始めた。

 それは、目から目を作るというクローン作成。はじめはねずみなどの小動物からはじめた。今は人間サイズまでなんとか育成を完了した。

 実験サンプルは多くいる。

 そう。目を取り出した患者たちだ。

 彼彼女にきてもらい、目が戻せるかもしれないと、持ち出す。

 嬉しそうな顔が返ってくる。

 あとは他言しない、失敗しても賠償しないなんて同意書なんてものを書かせた。

 実験で、多くの目を消費した。獲得した数もそれなりにあるが、移植するものの元とすれば、その数も減っていってしまう。

 コレクションが減るのは嫌だなと思いながらも、世間に怪しい噂が広がらないようにしなければいけない。

 そうして、オペ室で目を運ぶ。

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コレクター バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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