第2話 理由

小学生から「真面目だね」「優しい人だね」とかよく言われている。ただ別に僕は褒められたいのでしているわけはない。ただ怒られるのが怖いし、人に傷つけさせたくないので、言われた通りに行動したり、優しく対応したりするだけだ。


なぜ怒られるのが怖いかのは、ただ単純にルールを破ったり、悪いことをしたりすると、鬼のような怒鳴りを受けて、怖いという記憶が脳に植え付けた。


僕が低学年の時、王様のようで堂々と振るった。僕より前へ進んでいる人や僕に対して悪口を言っている人などが居たら、殴って恐怖を与えることで僕から後ろへ引き下げてもらおうとした。このように暴力を振るう時期があった。


しかし、今は暴力を振るわなくなった。暴力を振るわない理由は大人になったからというわけはなかった。それは、先ほどに言っている内容と同様で怒られるのが怖いだから。ある日、先生に呼び出された。「もしまた相手を殴ったら、先生が殴るわ」と脅された。僕が人を殴ったら、先生に殴られるの?殴られるとすごく大きいアザができるのではないか、怖くなった。先生に呼び出された以来、もう人を殴らないようになった。


おかしいよね。何かやったら、倍にやり返さられるのが怖いので、やめたという理由は本当におかしい。僕はただ自分より弱い人に対して傲慢な態度を取っていた。反対に自分より強い人なら急に怖くなって謙虚な態度に切り替えていた。僕は本当にビビりで弱いな人だ。


学年を上げていくと、少しずつ人を殴らないで我慢することができるようになったが、その代わりに何か失礼なことを言ったり、行動したりすると、相手からも失礼なことを言われたり、行動したりされるのではないか怖くなった。怒られるのが怖いので、相手に傷つけさせないように優しく対応したり、失礼にならないように言葉を丁寧に選んだりするようになった。


「真面目だね」「優しいだね」と言われるようになった原点は「恐怖」だ。「恐怖」によって自分から反論するような態度や行動を示すのが難しくなり、自分を押し殺すような日々を続くようになった。過去の相手と現在の相手は言葉や行動の受け止め方が異なるので、全員と同じように対応する必要はないと頭の中では理解している。しかし、恐怖心は拭いきれず、見方や感じ方は低学年と変わらないまま全員に対応している。


そのために「真面目だね」「優しいね」といつの間にか褒め言葉になった。普通なら喜ぶと思うが、僕としてはその褒め言葉な虚しいと思ってしまう。


僕は堂々に表へ表すことなく、ずっと内側に隠し続けた。


苦しいと思う時があって、自殺したいと思う時があった。でも、自殺すると、痛みも伴う必要がある。例えば、リストカットをしようと思ったが、切られた血管からドクドクと大量の血を流れて、体に必要な血液量が不足になり、体が重くなり、意識が朦朧になるまで嘆く僕を想像するとゾッとした。怖いので、やっぱ止めようと思った。結局は苦しみから逃れることはなかった。


あまりストレスでご飯もたくさん食べるようになり、おやつも食べている。悪循環にはまってしまい、その結果は醜いな体へ変化してしまった。


暴食だけなく、親の目を盗んで性欲求を満たした。


部屋で性欲求を満たそうと思ったが、終わった後に片付けが大変であるし、親に見られたら終わりだと思う。だから部屋でやらない。どこにした方が最適であるか考えた。考えた結果は、風呂場だ。風呂場なら勝手に入る心配はなく、シャワーで洗い落とせば綺麗になれる。


風呂場なら良いと思って、風呂場で自慰行為するようになった。


性欲求を満たす時、体が裸になってからする。裸にするたびに鏡に僕の体が映った。最初は僕の裸を見たくないと思って見るのを避けた。だが、毎日にすると、少しずつ僕への体に興味を移り変わり始めた。あれ?最初に僕の体は醜いだと思ったが、よく見ると程よい脂肪を装着してあって良い体にしているなと思うようになった。


僕の体を見て、興奮して、自慰行為する日課になった。

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誰にも知らない秘密 龍川嵐 @takaccti

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