誰にも知らない秘密

龍川嵐

第1話 秘密

誰にも知らない秘密がある。


人は信頼できる相手でも友達でも親友でも知らない秘密を必ず保持している。


何の秘密を持っていない人間はいないと思う。たとえ居たら、炎上が起こったり、自分の周りから遠ざけたりすることになる。


プライベートな話題は誰にも決して触れてはいけない話題だ。毎日話すたびに次第に相手のことを信頼関係を築いて、徐々にプライベートな話題を触れることができる。しかし、心の距離が近づいたので、全部曝け出すことができる…わけはない。


もし秘密を知られてしまったら、信頼関係を失うことになる。


独りだけ生きていくのは難しい。人間は集団行動をしながら生きていく動物である。だから、全てを曝け出すことはなく、お互いに触れてはいけないプライベートな部分を踏み越えてはいけない。自分からもカミングアウトしないようにする。


…僕も誰にも知らない秘密があるんだ。


「お母さん、今から風呂に入る」


風呂場に向かい、ドアを閉め、そして鍵を閉めた。


この時間は好きだ。


洗面所に大きく構えている鏡を眺めながら、ブラザー、セーター、カッターシャツ、ズボンを順にして脱ぐ。最後のパンツを脱いだ。


頭から膝まで映っている僕の体を見ると、なぜか快楽な気持ちになる。


僕の体は筋肉質でもない、魅力的な体でもない。体の周りに余分な脂肪を装着している。あちこちの部分が重力の法則に従って、垂れていく。


一方的な見方は醜いな体であるが、僕の場合は性欲をそそるようで最大限に魅力的な体だ。


そう、僕は大変に変態だ。普通の人ならありえない見方や興味を持っている。


入浴時間は、僕の裸に向き合って、自分の欲求を満たして、楽しい時間を過ごす。


何度も繰り返すが、この時間は好きだ。


なぜ僕の体を見て興奮するようになったのか、過去に遡ってみよう。

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