アイ・ウォール
今回の騒動の
そして、この時点でスズの役目は完了している。【大強盗】の、〈
「……」
まあ、多少
なのでスズは着込んでいるダークスーツの
「それで、だ」
爆発より、普段より八割増しで換気が良くなった店内から
「これからどうするつもりだ、だ……ホワイトラビット」
『
ジャカジャカと店外から銃口が向けられる。当然の帰結としての完全包囲。
「……まぁ、そうだな」
ホワイトラビットは開いた両手をゆっくりと上げて
「オレの役割はスズ、お前を他の連中から引き離すこと。それは〈OZ〉や〈
しゃらり、と
かっち、かっち、かっち。
「――それでは少し、面白くない」
どぉん。
二度目にして、今度は二つの火柱が同時に上がった。喫茶店を包囲していた警察隊が泡を食ったように退避行動を取る。対してスズは、
「同感だ、だ」
じゃこん、とホワイトラビットに向けてグレネードランチャーを発射するところだった。
「!?」
どこから出した――!?
そんな当たり前の
騒乱が一段階ギアを上げる。もう周囲一帯は何をどうしたら良いのか正解がわからない状況だ。
男が煙を引き連れて店外へと歩み出る。
「待、てッ、この――!」
ギリギリのところで惨事を回避したホワイトラビットが追いすがる。スズは奇跡か計算か……果たして無傷のまま軒先に停めてあった愛車であるアメリカンバイクに
「笑わせるなよ、だ」
無表情のままの顔だけを彼に向け。
「追いかけられるのは本来お前の役目だろう、だ。
どるるるん、と
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