バイバイ
凛
バイバイ
昔から、呼吸をするように嘘をついてしまうときがある。
さらり、と口から言葉が漏れる。
「嘘も方便」と言えるような嘘しか、ついていないつもりではあるが。
ただ、嘘つきな私でも、許せない嘘がある。
「またね」
君はそう言って、手を振って帰っていく。
またね、なんて。
次なんか、ないくせに。
一緒に過ごしてきた時間は記憶に成り下がり、宝物も思い出の品に成り下がる。
遠ざかっていく君の背に向かって、お揃いだったペンダントを投げつけた。
自分のための嘘なんか、つかないでよ。
そんな気持ちを込めて、一言、叫んだ。
バイバイ 凛 @Rin-maron
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