23話 洞窟の真実
魔界のフィーゲラス城へ最短で向かう事が出来る洞窟の中央、ジョーカーとオルトは話していた。
「泣ける話だな。つまりコイツが彫刻を使った成れの果てってやつか」
「そうだな。おっと、それ以上近づかない方がいい。死ぬぞ」
洞窟中央で、ただ立ち尽くす漆黒の騎士。ある一線を踏み越えて洞窟の奥に進もうとすると容赦なく殺しにかかる。
ジョーカーは歩み寄るのをやめた。
「凄まじい魔力のオーラだな。このアンリミテッド・リボルバーを使ても勝てないだろうね。無駄にカードを使って試すのもいいけど、これじゃあ時間の無駄だろうね。」
ジョーカーは腰に装備したリボルバーを撫でながら言った。
不死の狂戦士と噂されていた理由は、無尽蔵に湧き出る魔力を洞窟内の魔力結晶から得ているからだった。
オルトは彫刻による代償。その存在を自分の中の情報と掛け合わせながら眺めていた。
「俺も半信半疑だった。軍でこの事は噂でしかなかったし、興味本位で戦った者は死んでいる。結局真実は自分の足で確かめるしかなかった。」
「まあ、いい観光になったよ。」
そういって二人は洞窟から出て、山を抜け大きな岩の上で調査団が来るのを待っていた。
二日後、ようやく調査団がフィーゲラス城へと着いていた。
「おい、オルト起きろ!」
「ジョーカー、さっき交代したばかりだろ。」
俺とジョーカーは交代で調査団が来るのを待っていた。
眠たい目を擦り起きた俺は、城の前にいる調査団の3人を見た。
俺たちの真の目的は魔王の娘メアを攫うこと。そして、城にあるとされる彫刻の奪還だった。
しかし、調査団としても目的はあくまで調査である。
魔導書で呼び出された存在がいる以上、あの3人が無傷で城から出てくる事はまずないが、それでも実力はあるはずだ。
「3人とも城に入って行ったな。どうする?」
「よし、俺たちも行くぞ。俺が彫刻を探し、お前がメアを攫う。その後合流、出来るだけ戦闘は避ける。いいな」
「もちろん」
そういって動き出した二人は、城の裏口から潜入した。
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