178.食事

4月11日(木)


最近、でもないけど食に関して気になることがある。食欲が本当に、常にある。けど、食べているとどうも気持ちが悪くなってしまう。それは何故か。


友達との食事のときですら胃から上がってくるような感覚に陥るときがある。さっきまでお腹がすいていたのに?と思うほど目の前の料理がキツイ。


1人の食事なんかもっと酷い。肉とか野菜とか素材の味や香り、舌触りを感じれば感じるほど胸やけがするのだ。美味しい、とは思う。残すのも悪いと思ってゆっくり時間をかけてでも最後まで残さず食べる。


でもずっと何となく気持ち悪い。噛んだものが胃に溜まっていく感覚に、心臓がどきどきしてそれに伴う吐き気を抑える。


何故だろうか。どうして気分が優れないのか。ずっと食事中そんな事を考えている。というかそれがもしかしたら良くないのでは、と最近気が付いた。


食事は私にとって作業に近いものになっている。昼休みは寝ていたい。夜は好きなことをしていたい。食事よりも睡眠や趣味に当てたい。ただ胃が音を立ててうるさいほど空腹を知らせてくるから、それを抑えるための作業になるのだ。


何と贅沢なやつだろう。こんなに美味しい日本の食事と恵まれた環境があるのに、何故作業にしてしまうのか。私の感じる美味しいは仮初でしかないのか。


食に喜びを感じられないなんて、今までの私には無かった。それだけ毎日が何となくしんどくて、ぼやついたものだから良くないのかもしれない。


一時の楽しみのために延命治療しているような日々で食の有難みなんて感じられるわけないのだ。


趣味も人間関係も、恋愛も仕事も。全部なんとなく面倒で疲れる。心がモヤついてはっきりしない。誰かに聞いてもらいたいとか何とかしなくてはと前向きな自分がいる一方で、自分はどう思われても、誰に必要とされなくても、ダメダメでクソみたいな奴でもどうでもいいだろうと感じている自分もいる。


その思考の狭間で、食道を流れる生姜焼きほど吐き気を催すものは無い。

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