第3話 2 暑い夏
電話先の声は、何と
僕が入部してた野球部のキャプテン。
ハク兄だ。
最悪だ
今考えれば、苗字が一緒だったと言う事を
すっかり忘れてたと言う凡ミス
しかし、ありがちな苗字なので中々気づかないと思う。なんせ、水着姿のハクちゃんの事を考えてたし、僕の精神はいまそれどころじゃなく、心臓がバクバクで興奮の最高潮だったのに
キャプテンが兄貴だった事を知り、
一瞬にして血の気が引いた。
僕「お疲れ様です!!明日の練習時間って何時からでしたっけ?」
何を言ってるのか?僕。
明日は、練習が休みだから市民プールに行こうと言っているのに、
完全にテンパって、ハクちゃんのことなんか聞けない。
キャプテンは、喧嘩も強くて中々の強面なので、へたしい殺されるのではないかと思った。
なんせ、やらしいことをムンムンと考えてた僕なので。
ハク兄「明日?休みやろ?さっき聞いたばっかりやろ?なんや、俺に電話じゃなく、妹やろ?要件は?」
あかん、死ぬ。
初めて、死ぬと思った。
段々と気分が悪くなり
僕は、「いいえ、間違えました、失礼しました」と伝え、電話を後にしようとした。
「あー、絶対ぶん殴られるわー」
半泣き状態の僕に救いの手が、
ハク兄「いま妹、風呂入ってるからまた電話かけ直したるわ、用事やって伝えとくで」
なんだこの神兄貴は
僕は人を偏見で決めつけて、勝手に殺されると騒いでただけのタダのアホではないか。
優しいキャプテンありがとう。
僕は「ぜひ!よろしくお願いします!」
と全力で叫んだ。
ハク兄「五月蝿い殺すぞ、またな」
ガチャ
僕はこの日だけ、死んでも良いと思った。
一時間後
電話の前でソワソワしてる僕。
プルプル
ワンコールで電話を取る
ハク「もしもし。〇〇ですけど。僕君いますか?」
何とも可愛いらしい声。
心臓が口から出てくるのではないかと思うくらい、バクバクしながら
「明日みんなで、プール行くんやけど一緒に行かないですか?」と僕は伝えた。
ハクの友達も誘われていて、話は聞いてたらしく、
快く良いよっと言ってくれた。
僕は、全力でガッツポーズをし、よっしゃ!っと声に出てしまった笑
少し、日常の話をして明日に備えて寝ることに
ハク「僕君と話せて良かった!明日楽しみにしているね!また明日ね!」っと言い電話を切った。
最高やないか。
よく頑張った僕。
電話を切りたくなかったけど、その時話した30分はどんな30分より短く感じた。
明日は、市民プールだ。
フルボッキしながら、布団に入り、ずっと寝れずにいました。
後日母から、あの時は相当気持ち悪かったと言われた。
関係ない!
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