第15話 2021/12/14
朝メールチェックしたら、ユリちゃんからメールが入っていました。
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
新鮮な朝の空気の中で呼吸することで、あなたはより健康的で賢明になります。
毎朝私たちに与えられた祝福を無視しないでください。
おはようと楽しい時間を持っています。
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
なるほど、清々しい朝を迎えるのは素晴らしい事ですね。
じゃぁ、支払いに行く態でね。
ユリちゃんだけにメールを送っておきましょう。
会社(Skyexpress■■■■)へは後程連絡することにします。
以下、ザックリと時系列に。
10:30
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
おはようございます。 これから銀行に行きます。
横浜市の中区にある銀行から振り込みますので到着に1時間ほどかかり
そうです。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
さて、ユリちゃんはどう反応するかな?
10:35
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
銀行へ行く前に会社に連絡を入れてください。
了解しました。
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
はいはい……。
事前の連絡にこだわってるな……、何かあるぞ。
だけど連絡しないもんね~。
10:40
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
???
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
あら???。
ユリちゃんどうした?
10:45
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
今朝、銀行に行く前に会社に連絡しましたか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
してないよ。
10:50
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
フユミ、まだそこにいますか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
ここにいるよ。
余り無視すると可哀想かな? 返信しとこうかな。
11:05
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
今、地下鉄に乗っています。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
サラリと一言だけメールを入れました。
11:10
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
理解します でも今、会社に連絡しましたか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
してないよん。
11:15
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
!!!???
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
どうしたの?
11:20
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
フユミさん、お金を払う前に必ず会社に連絡を入れてください。
わかるか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
はいはい。
支払う前に、会社(Skyexpress■■■■)へ連絡することが極めて
重要だという事がわかりました。
これがキモですな。
ユリちゃんにまた返信しときましょう。
11:55
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
わかりました。
今、偶然 学生の頃の友人に会ったので、一緒に食事をしてから銀行に
行きます。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
12:00
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
ご理解いただけて私はとても嬉しいです。
支払の前に会社に連絡する必要があります。
何を召し上がりますか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
何とレスポンスの良い返信でしょう。
ユリちゃんとしては気になって仕方がないのでしょうね。
しかし、咽頭癌で瀕死の79歳のご婦人のメールなんですよねぇ?
中華を食べましょう!
12:30
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
横浜中華街で食事をします。
貴女は横浜中華街をご存知ですか?
とても美味しい店が多くあり、風情が有って素敵な町ですよ。
久しぶりに会った友達と一緒に居ますので、少し時間がかかります。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
13:30
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
あなたはまだそこにいますか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
いるよ~。
14:00
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
フユミはもう食べ終わったか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
はい、食べ終わってます。
返信しましょうかね。
14:30
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
食べ終わって、友達と喫茶店にいます。
話が弾んで楽しいです。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
14:45
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
フユミはもう食べ終わったのですか?
----- From yurienatua■■■@gmail.com -----
食べ終わってるけど、喫茶店にいるって言ったよ。
さて、支払いをしたことにして、ユリちゃんと会社(Skyexpress■■■■)にメールを送りましょう……。
ユリちゃんへ送信!
15:00
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
いま、お金を銀行の窓口から振り込みました。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
じゃ会社(Skyexpress■■■■)へもメールを送っておきましょう。
----- To Info@sky■■■■■■■■■■.com -----
今ほど御社あて、ご指示の金額を振込みました。
よろしくご確認ください。
なお、窓口での振り込み手配のため明日の入金となることをご承知ください。
よろしくお願いします。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
数分で会社(Skyexpress■■■■)から返信がありました。
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
ご不便をおかけして申し訳ありません。
スカイエクスプレス■■■■は常にお客様の負担を軽減します。
以下の外交銀行口座に713,920円をお支払いください。
■■■■銀行
店番号:■■■
支店:■■支店
口座番号: ■■■■■■■
名前:■■■・■■■・■■
お支払いが完了次第、確認書をお送りください。
領収書は、支払いが行われるとすぐに発行されます。
注:会社は銀行預金を受け取りません。
ATM転送とモバイル転送。
エリザベスケリー
ディスパッチマネージャー
注:Skyexpress■■■■は24時間オンラインです。
----- From Info@sky■■■■■■■■■■.com -----
おやおや……。
少数手以下の金額は消えてますね。
銀行は同じですが、支店名、口座番号、名前は①と違っています。
きっとこちらが本チャンの口座でしょうな。
ではこちらの口座を②としましょう。
しかし名義も前回同様、中国の方に多いと思われる名前の個人口座です。
振込寸前で本当の口座を指示して、入金させ、即引き出してトンズラ?
ヘソの曲がった爺にはこのように思えてなりません。
一応、会社(Skyexpress■■■■)に口座が違ってると連絡を入れておきましょう。
----- To Info@sky■■■■■■■■■■.com -----
振込口座が前回、ご指定のものと異なっています。
私は以下の口座に振込済です、ご確認ください。
■■■■銀行
店番号:■■■
支店:■■支店
口座番号: ■■■■■■■
名義:■■ ■■ ■■
心配ですので担当者様の、直通電話番号を至急お知らせ下さい。。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
早々に会社(Skyexpress■■■■)から返信が。
----- To tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
お支払いが完了したことを確認するための確認書を送っていただけませんか
エリザベスケリー
ディスパッチマネージャー
注:Skyexpress■■■■は24時間オンラインです。
----- From Info@sky■■■■■■■■■■.com -----
ほぉほぉ……。
ちゃんと支払ったか確認書を送れって?
それは出来ない相談ですな。
だけど肝心の「口座番号が違ってる」件については無視かいな!?
そうこうしてるうちに、ユリちゃんからメールが。
15:30
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
会社からメールは届きましたか?
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
届いたよ。
16:00
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
そこにいるか?
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
はいはい。ここに居ますよ。
では、ある事に気付いてしまったフユミが慌ててメールを送ることにします。
17:00
----- To yurienatua■■■@gmail.com -----
ごめんなさい。
すごく心配なことが有って……。
私、とんでもない間違いを起こしたかもしれない。
明日また連絡します。
----- From tosikazu.hanamu■■■■■@gmail.com -----
ということで、慌ただしい一日が終わりました。
しかし、このマシンガンのような矢継ぎ早なメール。
これって、79歳の癌を患っているご婦人のメールかいな?
不死鳥……いやいや、ゾンビのような生命力に溢れるご婦人なのかもしれません。
明日はどんな展開になるのかな?
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