【ホラー】水たまり

 学校が終わって帰る途中の出来事。

「ねえ」

 雨の中を急いでいたとき、突然声をかけられた。

 僕は立ち止まって周囲を見回した。しかし、辺りには誰もいない。

「こっちだよ、こっち」

 その声は足元から聞こえた。

 僕がそちらに目を向けると、水たまりの中の僕がじっとこちらを見ていた。

 驚く暇もなく腕が伸びてきて僕の手を掴み、僕を水たまりの中へ引きずり込む。


 僕を水たまりの中へ閉じ込めた僕は嬉しそうに笑い、雨の中を走って行った。

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