第12話 ケンカ……。
母親と父親に、交際を認められた
えるは、、、
弓弦に嬉しさのあまりに、
よく前田大学へ顔を出す様に
なってきた。
弓弦はと言えば。
えるが、毎回 腕によりをかけた
お弁当攻撃に、
嬉しい悲鳴を上げていた。
そんな中睦まじい2人の間に、
弓弦と同じクラスメートの
七瀬ゆか、という女性が弓弦に
対してよく、絡んでいた。
えるは最初こそ気にならなかった
のだが、弓弦の腕に七瀬ゆか
がカップルの様に
腕を絡める仕草をよくしていた。
えるは、だんだんと弓弦の
心が離れていないかを心配する
様になっていた。
その度に、えるは弓弦に
当たってしまっていた。
『私よりも、七瀬ゆかさんとのが
弓弦くん、楽しそう。』
『私じゃ……不服なの?』
えるは、涙をいっぱい溜めて
弓弦に詰め寄った。
『私は、弓弦くんの何?!』
えるは、不安な気持ちから
弓弦に心にも、無いことを言ってしまっていた。
そんな2人の痴話げんかを
優越感で……七瀬ゆかは眺めていた。
七瀬ゆかは、えるに対抗心を
抱いて、大人の魅力で……
弓弦に対して、言い放った。
『弓弦?!こんな幼い女の
どこがいいの?!私が居るじゃない。ふふふ』
そのセリフを聞いた瞬間に
えるは、七瀬ゆかを引っぱたいた!
ぱーーんッ!!
その場面を見た弓弦は……えるに
叱り飛ばした!
『える!!友達に何するんだ!』
『弓弦くんは、その人を
かばうの……??!私は……ッ』
涙が、止めどなく溢れてきて
えるは悲しくなり、その場を
走り去っていった。
初めてのケンカ……弓弦の
気持ちが見えなくなって不安で
思わず、七瀬ゆかを引っぱたいて
しまった。
家まで、どこをどうやって
帰ってきたのか分からないが。
えるは、大泣きしていた……
【弓弦くんのバカ!!】
えるは、弓弦とのツーショット
写真を全て削除した。
プリントアウトしたものも
ゴミ箱へと、勢いよく捨ててしまった。
えるは、遊園地での初デートを
思い出していた……。
こらえきれずに
泣きじゃくった……
『うっ…………ううっ……ひっく
うあぁぁぁ……。あぁぁん』
弓弦に対して、えるはこれほどまでに、愛情が深かったのか?
泣いても泣いても、
悲しみが溢れてきた……
ピンポン……
ベルが鳴る。家には誰もいない。
仕方なく、涙をぬぐい
ドアを開けると…………。
弓弦が、息を切らせて玄関先に
立っていた……
『弓弦くんのバカ!!』
えるは扉を閉めようとすると
弓弦は……えるに
『える!話をしよう。頼む。』
『弓弦くんなんて大嫌い!!』
言ってはいけない一言を……
えるは言ってしまっていた。
弓弦は、えるの顔を見ると……
『分かったよ。』
弓弦は……クルリと向きを変え
下を向き歩いて帰っていこうとした。
えるは、心が張り裂けそうだった。
何も言う事が出来ずに
えるは、涙をいっぱい流し
弓弦の寂しそうな後ろ姿を……
ずっと見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます