第8話 時として、2人は……。

弓弦の車が、遊園地へと着いた。


『える?疲れただろ?大丈夫?』

『ううん。平気。』


えるは……先程の弓弦からの

キスを思い出しながら


顔を赤らめて、静かにうなずいていた。


『さ、楽しもうよ!ね?』


えるは、弓弦の優しさに触れて

表情が……明るくなってきた。



『あ~。……そっかぁ。』

弓弦は何かを思い出した。


ドアを開けて、えるの手を握る。



『おいで……える。行こ、』

『あ……う……うん。』



えるが、片時も離さない荷物に

弓弦は気が付く。


『何……?える?これは?』


『あ!あの……えと……💦』

えるが、恥ずかしそうに弓弦の

方を見て、うつむいた。



えるは、消え入りそうな声で

『…………お弁当です……。』


弓弦は聞こえていたのだが、

えるが、顔を赤らめているのが


見ていて、とても可愛かったので

弓弦は、聞こえない振りをする。



えるは……思い切って


『お!!お弁当!作ってきた!

…………の、デス。💧』



弓弦は、今日一番の笑顔を

えるに見せた。



『える!!ありがとう!

  かなり俺嬉しいよ!!

   待ちきれないな!』



えるは……表情がパァっと明るくなってきた。

『うん!!朝早く起きて、

作ったの……!!……デス💧』



『はははッ……。可愛いな?

えるは。そんなところが……

好きだよ!』



また弓弦に、軽くキスをされる。


えるは、途端に元気を出して

弓弦の腕にしがみ付いた。



『後で、一緒に食べよッ!!』


『うん!!❤』


駐車場から、しばらく2人で、

歩いて

入場するチケットを弓弦が

購入してくれた。



もちろん。夜までのフリーパス

だった。



えるは、弓弦に喜んで貰えた

事がとても嬉しく感じて、、、



遊園地へと2人で入って行った。


~始めてのデート~



えると、弓弦は乗り物にたくさん乗り、あっと言う間にお昼ご飯の

時間になった。



『時間を忘れちゃったな。』

『クスクスッ……弓弦くん

子供みたいだったよ。ふふふ』



2人は……木陰の椅子の上に

疲れた~~~と座り込んだ。


えるは……お弁当の袋を開けて

弓弦に食べてもらおうと、


準備を始めた。



開けた瞬間に、弓弦は声を出した。



『うわぁーーーー!!!!

超、美味そうじゃんかぁ。

ありがとう、える!!嬉しい!』



弓弦は、えるにキスをしようと

してきたが。



その瞬間に、えるは……おかず

を、サッと弓弦の口に運ぶ。



『☆☆☆☆☆??……ん?』


えるが……そんな弓弦を見て

クスクスと笑っていた。



次の瞬間、、、弓弦は感激して

くれた。


『お!!美味しい!!!』


『うふ。頑張ったの。』

弓弦は、遊園地に来た開放感で


えるに抱き付いた。



『ゆ、弓弦くん!!?苦しいよ』


『えるが……奥さんになったらな~~。俺幸せいっぱいだよ。』




えるに聞こえない様に、

弓弦は話していた……。


弓弦のえるを、抱き締める手は




なかなか、離れなかった。




えるは、弓弦が……こんなに

喜んでくれるなんて



思いもよらなかった。


えるは……幸せいっぱいな気持ち

だった。そして。



弓弦も、同じく幸せをかみしめていた……。






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