§2【編成】
瞑った目を開けると俺はとても豊かで心地よい風が吹く王国らしき王国街の木の椅子に座っていた。
辺りは様々な種族が買い物をしたり、掲示板に貼ってある紙を見たりして過ごしている。
「ここが父さんの遺言書に書かれてあった
俺は1度立ち上がり、自分の体を見るように体を捻ったりする。
黒龍の翼が背中から生え、鱗で覆われた漆黒の尻尾に正反対の白銀髪、そして青空のように透き通る碧眼。
設定した記憶が無い皮の装備、腰についている鉄の剣が1本鞘に収めている。
「初めてこういうファンタジー系? のゲームやるな……いやでも
俺は頭を掻いているとガタイのいいハーフエルフのおっさんが声を掛けてきた。
茶髪の刈り上げに茶色の瞳。そしてゴツゴツの鉄の装備に身を包みこみ、背中に大剣を背負っている大男だ。
「兄ちゃん、このゲームは初めてか?」
「(ゲームでは無いけど)初めてかな」
「ならちょうど良かった! 俺とパーティー組もうぜ!」
「どうやってパーティー組むんだ?」
「ギルドに行ってパーティー編成を行うんだ! それは俺に任せろ! IDとか教えてくれるか?」
「(IDってどこにあるんだ? アナウンサーみたいな声の奴は何も言ってなかったし……ん? これなんだ?)」
俺は視界に映っているID表示と言う部分に手を触れると、右上に自分のID00000000が表示された。
「俺のIDは……(これってリアルプレイヤーだからだよな? これ言って怪しまれたりしないよな? でも言ってみるしかないよな)00000000だ」
「え? もっっかい言ってくれるか?」
「00000000だ」
「へ、へぇー……そ、そんな数あるんだなぁ……それバグってるだけかもしれんから、運営に言ってみることを進めるぜ……それじゃ、俺はパーティー編成をしに行くからそこのいる2人と話していてくれ。あれは一応俺の現パーティーメンバーだ」
「分かった」
ハーフエルフの大男は俺のIDに引いていたが、何とかその場をやり切った。
俺は言われた通り、木の椅子と机に対面で座っている男女に声をかけに行く。
「すいません。先程声をかけてもらい、パーティーメンバーに入らせていただくことになった、
「珍しいな、フルネームで登録する奴なんか……まあいいか。俺の名はルリス、
「私の名はアカリアス、ハイエルフです!」
"ルリス"と名乗った男は狼の耳を持ち、フサフサと尻尾を生やしている。
そして青い髪に黒色の瞳にダガーナイフを腰や胸ポケットにかけてある。
"アカリアス"と名乗った女は長めな尖った耳を持ち、聖女らしい白いローブを身に纏っている。
そして金髪の長い髪に赤い瞳に赤い宝石が浮かんでいる大きめな杖を両手で持っている。
「お願いします」
「あぁ! よろしく頼むぜ!」
「はい! こちらこそよろしくお願いしますね!」
お互いにお辞儀をして簡単な挨拶を終えたら、手を振りながらハーフエルフの大男が帰ってきた。
「じゃあ、掲示板に貼ってある初心者用のクエストでも受けようぜ!」
俺たちは正式にパーティーメンバーである証拠の紙を受け取り、今から初めての冒険が始まろうとしている。
歩いている途中で俺はハーフエルフの大男の名前を聞き、"ニル"と言うことがわかった。
掲示板に貼られている所へ俺たちは着き、このパーティーメンバーのリーダーであるニルが俺のために初心者用のクエストを受けてくれる。
「よし、今回の冒険は……
「それは頼もしいな……じゃあ、討伐系は任せるよ」
「よーし! それじゃ、出発だぁ!」
「「おぉ!」」
ニルの掛け声のともに俺たちパーティーメンバーは大きな門を越えて、森林地帯を目指して歩いていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます