第144話 幕間 アンナは悩める少女なの。
私はアンナ6才。悩める少女なの。
あのね、私の王子さまが帰って来たの!
お父さんが門番してたんだけど知らせに戻って来てくれたの。(お父さんありがとー!)
私は急いでお気に入りの服に着替え、髪を綺麗に梳かし、鏡を見ておかしなところが無いか確認するの。(うん、バッチリ!)
そして勢いよく玄関を開けたら目の前に私の王子さまが居た!(1番最初にアンナの所に来てくれたんだ!とっても嬉しいの!)
私はそのままの勢いで抱き付いたら王子さまが抱き返してくれたの。(嬉しい!)
でもね、話したい事がたくさんあったのに、嬉しすぎて言葉にならないの。
少し話したら落ち着いてきて、それで見つけたの。綺麗な美少女と可愛い女の子を……
(あれ?あの2人はだれ?なんなの?)
私の心はトカゲのしっぽが切れて、そのしっぽがブルブルと暴れるような感じになったの。(うん、その表現はまったく判らないね)
もう!夏希お兄ちゃんの浮気者!!
でもアンナは大人の女。余裕のある女なの。
私と同じぐらいの背の女の子はまだ幼いわ。だから夏希お兄ちゃんの女では無いわね。(お前も幼いよな?)あの子は可愛いいからアンナの妹にしてあげるの!
問題はあの眠たそうな美少女。たぶんあの子が夏希お兄ちゃんの女なのね。(私を見て手をワキワキしてるのが怖いんだけど…)
私は夏希お兄ちゃんを新しく建てた家に案内した後、宴の準備に向かったの(また直ぐ会いにいくね!)
「お母さん、アンナに恋のライバルが登場したの。あの美少女はたぶん強敵なの。あのワキワキした手が語ってくるの。「私は強いよ。逃がさないよ」って。どうすれば勝てるのかな?」
それは夏希じゃなくてアンナを狙ってるんだけど…
「ふふふ、真冬ちゃんのことね。あの子は夏希さんのことを何とも思ってないから大丈夫よ。アンナが心配しないといけないのはスズランちゃんの方よ」
「えっ!お母さん、それホントなの?」
私の女のカンは間違ってたみたいなの。
「ホント。でも焦ったら駄目よ。王子さまを落とすには、時間を掛けてジワジワとアンナの魅力で引きずり込むの。アリ地獄のようにね」
(サーラ…… その表現はどうなの?)
「判った!まずはアンナの手料理で胃袋をガシッと握りつぶして引きずり込むの!」
「ふふふ、その調子よ。頑張ってね」
夏希、お前の本当の試練は目の前まで来てるぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます