第62話 幕間 アンナの花嫁修行(付録ルル)

 私は夏希お兄ちゃんが大好きなアンナ6才。


 立派なお嫁さんになる為、花嫁修行中なの。


 今日も料理のお勉強をするの。


 でもね、今日は一味違うんだよ。


 仲のいい夫婦は、奥さんが料理を作ってる後ろ姿を見ながら楽しくお喋りするの。だから今日は、そのお喋りの仕方も料理と合わせてお勉強するんだよ。


 可愛い喋り方のほうが旦那様さまも喜んでくれると思ってるんだ。だから先生を呼んできたの。


「せんせー、今日は宜しくお願いしまーす」


「あい!わかりまちたー」


 ルル3才の登場である。


 今日はルル先生と一緒に料理をして、話している言葉使いを聞いて覚えるつもりなの。(お母さんも居るよ)


 アンナ6才、がんばります!


 今日は夏希お兄ちゃんに教えてもらったハンバーグを作るんだよ。夏希お兄ちゃんも私も大好きなんだ。


「まずは、お肉を叩いて小さくします」


「たたて、ちさくちまーす」


 ふふ、ルル先生可愛いー。


 2人は包丁で魔物の肉を潰し始めた。


「ダンダンダンダンダンダンッ!」


 6回で完了である。


「つぎは、玉ねぎを切って、フライパンで炒めます」


「タマタマきつて、フーパンでイタイちまーす」


 何か腰が引けてくるんだけど…


「ダンダンッ!」


 4等分である。


「ゴォー」、「じぃ…………」


 高火力で焼かれてく玉ねぎ…


 それを、ただ眺めているだけの2人…


「あとは、いろいろ混ぜます」


「ませませちまーす」


「混ざったら、手でボールみたいに丸めて、パンパンして、中の空気をぬきます」


「てーで、タマタマ、パンパンちまーす」


 また腰が……


「あとは焼くだけです」


「たけでちー」


 ルル先生…だんだん言葉が省略されてない?


「ゴォー」、「じぃ………」


 再びの展開。


「出来たー!」


「でちたー!」


 2人は手を繋いで喜んでいる。その間、ハンバーグはフライパンの中でその身を温めていたのであった。


「お母さん、出来たよ!」


「ふふふ、今日は2人で作ったから愛情も2倍ね」


 致死率が2倍である。


 出来たハンバーグは、ゴロッゴロの具で固まった、表面はガリガリで、中はジューシーを通り越したほぼ生の、バスケットボールであった。(ソース? 無いよ)


「でも今日も夏希お兄ちゃん居ないね……」


「いなーねー」


 アンナは少し悲しそうだ。(ルルは通常だ)


「ふふふ、大丈夫よ。また戻ってきた時に、もっともっと愛情を込めて作ってあげればいいわ。その時はルルちゃんも手伝ってあげてね」


「わかちたー」


 夏希に未来は無い。


「じゃあ、今日は私とルル先生が作って2つあるから、ルル先生もお父さんに持って帰ってあげてね。お父さん泣いて喜ぶと思うよ!」


「おとさんにあげゆー」


 今日は、ラグの2つ目の命日だ。


 そしてザックは、今日、初めての命日を向かえる。

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