第29話 幕間 ○○○を堪能します!(前準備編)

 村にお風呂がある事を知った夏希。


 ネットからお風呂セットスペシャルを準備した夏希はラグ家族と村のお風呂場に向かった。


 お風呂場は木造で体育館並みの大きさであった。


「でかっ!ラグ、これ全部お風呂なのか? 」


「ん?ああ、中の前半分は休憩場所だな。雨の日なんかは結構皆ここでご飯持ち込んで会食みたいにしてるぞ」


 公民館的な使い方してるのかな。でもこんなに大きい建物なのに気が付かなかったな。


「ネネとランカに話したら家族みんなで入りに来る事になったわよ」


「判りました。あとこれ使って下さい」


 夏希はアイテムボックスからお風呂セットスペシャルを取り出してサーラさんに説明する。


「体を拭くタオルと体を洗う石鹸です。このザラザラしたタオルに石鹸付けて洗ってください。

 あとこっちの容器に入ってるのが頭用の液体石鹸です。こっちの袋に入ってるのは湯船に入れるものです。最初はこれを入れて、こっちの大きめの丸いヤツは途中から入れてみてください。

 あと、アンナちゃんにはシャンプーハットとオモチャが入ってるからね」


「オモチャも入ってるの?やった!」


「シャンプーハットは髪を洗う時に被ったら目が痛くならないから」


「わかった~」


「サーラさん、この瓶に入っているのは化粧水です。お風呂上がりに顔に適量付けるといいので使ってください」


「色々あるのね。判ったわ」


「この袋ウサギさんが刺繍してある!凄い可愛いウサギさんだ!」


「アンナちゃんみたいに可愛いね」


「俺の袋のヤツはなんだ?なんか凶悪な顔のゴッツイ魔物が刺繍されてるぞ」


「ゴリラだね。ラグみたいに凶悪だね」


 サーラさんとアンナちゃんは大爆笑だ。


「お待たせ~」


 お?ランカさん家族とネネさん家族が来たな。


「ラグ、浴槽にお湯を入れに行こう。サーラさん達は中で待っててください」


 私とラグは中に入り、部屋の後半部分にあるお風呂場に向かった。


 先に更衣室がありその奥が浴室だ。広々としてまだキレイだ。(掃除しなくて大丈夫だな)更衣室は手前に6人用のテーブルがあり、片壁に本棚タイプの置き場がある。


 浴室は洗い場が10畳で浴槽は6畳ぐらいかな。洗い場は木椅子と桶が5つあるだけで他はガランとして何もない。(お湯が出る蛇口もシャワーも無いな)


 まずは女湯からだ。更衣室のテーブルに持ってきたフルーツ牛乳を10本ほど置いておく。浴室に入って浴槽に向けて水魔法(お湯バージョン)を放つ。


 湯船には瞬く間にお湯でいっぱいになった。


「すげーな夏希。そんな簡単にやってる魔法使い見たことねーぞ。しかも詠唱してないよな!」


「ふふふ、余裕だな」


 男湯も同じようにして皆のもとに戻った。


「お待たせです。じゃあ入りましょう」


 ここから男女で別れるがメンバーのおさらいだ!


 男湯:夏希、ラグ、ダン(ネネさんの旦那)、カイル(ネネさんの息子)、ザック(猟師仲間)、コンテ(ザックの息子)


 女湯:サーラ、アンナ、ネネ、ランカ(ザックの嫁さん)、ルル(ザックの娘)


 しめて男6人女5人の11人だな。


 さあ、いざ行かん。夢見た桃源郷へ!

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