第4話 スキル付与(3)

 各自の紹介が終わったところで大工のたくみが話を切り出した。


「皆さんは、どうされるんですか?私達3人は異世界で生活してみようと思ってます。まぁ桜が「魔法使ってみたい!」って、うるさいんですよ」


「巧くん、皆の前で言うなんてヒドイよ~。幸之助くんだって興味あるって言ってたよね」


「そうだね。魔道具とやらがどんなものか気になるかな」


 フムフム、20代組は残るのか。桜さん、天使の説明の時もキラキラな眼差ししてたからな。(魔法使いの保母さんなら治癒魔法とかかな?ちょっと癒されたいな!彼氏いるけどな!)


「私は戻りたいかな。部活忙しいし期末試験ももうすぐだよ。雫も居るし危ないよ~。今日の晩御飯ハンバーグなはずだから食べたいし!」


「お姉ちゃん…」


「かなえはシスコンで食い意地が張ってる女」


「真冬……あははは、でも魔物肉食べてみたいかな。マンガ肉に憧れるわ!」


「戻る時は、時間も年齢層も戻るから少しこっちで生活してみてもいいんじゃないかな?」


「巧さん、そうですね。真冬はどう思う?」


「私は忍び」


「えっ、忍び?って忍者になるの?てか、何時もながら言葉数少ないわよね。こっちで生活するってことね。雫は大丈夫?」


「わ、私は大丈夫だよ。お姉ちゃん。私ラノベ好きだし…魔法使ってみたい…」


 おっ、こっちは魔法少女か。なんか寡黙かもくな忍び(忍者)もいるな。(姉は良くわからんな)


「ワシは勿論残るぞ!年長のワシが皆を、先導せんとな!年長としての責任がある」


 いや、「モフモフの嫁さん~」っとか叫んでたじゃん。今さら取り繕っても誰も付いていかないと思うぞ。(筋肉ハゲ頭怖いしな!)


「旦那とは別れてるから生活苦しいのよね。お金たくさん持って帰れたら生活が楽になるわ!昴と菜々は大丈夫よね?ゲームとか好きだし。お金たくさん持って帰ろうね!」


「お母さん、菜々は僕が守るから大丈夫だよ!」


 おお~、色々たくましい親子だな。てか全員帰れる事が判ってからは前向きな感じだな。すぐに戻る人は居ないみたいだ。(勿論、私も残るのだ!)


「私も残ろうと思います。当面安全が確証されるまでは一緒に行動した方がいいと思います。いっそ借家でも探しますか?天使がいくら生活費をくれるか判らないですが、全員で出しあえば個人で宿に泊まるよりも安くなると思います。巧さんはどう思いますか?」


「そうですね。その方が安心ですね。スキルについてはどうします?これから皆で、相談して決めますか?」


「助言はありですが、これからの生活がどうなるかの大事なことなので、各自で決めたほうが後で問題になったりしないと思いますよ。」


「ワシは獣人使いとかなれんかな~」


 オヤジ… それ奴隷にするってことか?欲望丸出しだぞ。


「私は何か商売でもしようかしら。商売に必要なスキルとかは何がいいのかな?」


 真奈美さん…こっちは金儲け一直線だな!


「まぁ、お腹も空いてきてますし、精神的に疲労もしてると思いますから一旦解散して各自で休憩しながらスキルについては考えてみて見ませんか?助言が必要な方は助言して欲しい人に直接依頼してください。」


「「は~い」」

「「判りました」」


 フム、では私も部屋に移ってゆっくりするかな。(腹も減ったしな!)


 皆はエレベーターに乗って好きな階の部屋に行くみたいだ。女子中高生組の3人は「最上階に行くわよ!」って、走って行った。(かなえが主導だな)


 ハゲ変態オヤジ…椅子に座って唸っているがまだ考えてるのか?もう部屋に入って寝なさい。


 私は2階の角部屋にした。中は12畳位の広さで簡易キッチン・ソファー・クローゼット・大きめのベッドがある。クローゼットには寝巻きや着替えがあった。(男物でサイズも合いそうだ。天使が気を利かせたのかな?)


 風呂場に行きお湯を張り、部屋に戻って備え付けの冷蔵庫からビールを取り出して飲む。


「ぷはー、今日は色々あったな。風呂に入ってさっぱりしたらスキルについて考えるかな?皆どんなスキルにするのかな?」


 夏希はネクタイを緩めてソファーに座り、目を閉じスキルについてどうするか考えてみた。


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