第5話 スキル付与(4)

 夏希はソファーに座りスキルについて考える。


 付与出来るスキルは3つ。多いようで意外と難しい。


 1つ目はまず健康面だ。病気は怖いし治療もどこまで出来るか判らない。今の年齢による体力の無さも何とかしたい。


 若返りは… これはスキルじゃ無理だな。うん、状態異常無効で現状の体の悪いところや体質改善もおまけして貰おう。


 2つ目は魔物や盗賊とかの対策かな。あ~、テンプレな冒険者先輩から絡まれるのもあるか。剣術か魔法か… 剣術は後でも訓練すればなんとかなるかな?(運動神経いいほうだと思うしな)


 魔法は全属性とか大丈夫なのかな?無理なら水魔法がいいか。氷と熱湯まで調節可能とか多分許容範囲にしてくれるだろう。


 3つ目は現地の生活は割りといいと聞いてるが、地球程ではないだろう。ビール飲みたいし日本食も恋しくなるだろう。ラノベでよくあるネットスキルとか出来ないかな?


 あ~、定番のアイテムボックスがあるな。これも欲しいな… あと転移魔法とかあれば移動とか楽だし危険な時も安心だ。


 やっぱり3つは少ないな… あっ!クラフトスキルも定番だな!スローライフには欠かせない。


 色々と悩んだが最初の3つのままで行こうと決めた。


 良しっ!風呂に入ってさっぱりしたら飯食って寝るかな。(ビール飲んどくかな。飲めなくなるかもしれんしな!)


「夏希は大きなお風呂に1人で入り、大きなベッドに1人寂しく寝るのであった」


「うっさいわ、急に出てきて何言っとるねん!驚いてエセ関西弁使ってもうたやないか!」


 ベッドに寝転がった夏希は天井付近に浮かんでいる天使に驚いた。


「皆のスキルについて聞いて回ってるのよ。聞きたいこともあるかなと思ってね」


 意外と親切なのか?


「カップルが◯◯◯してないか覗きに来たのよ。してなかったからついでに聞いて回ってるの。あなたが最後よ。面白味が一番無さそうだから」


 色々ぶっちゃけてくれるな!このダメ天使が!


「まぁいい、スキルについて聞いてみていいか?」


 私は考えていたことを天使に説明した。


 「状態異常無効は大丈夫よ。若返りは無理ね。今の体の悪いところや幾分かの肉体強化はサービスするわ。見た目も引き締まるから多少は若く見えるんじゃない?年の割りには可愛い顔してるしね」


 若返りはやはり無理か…でもサービスは有り難いな。顔のことは… まぁ、たまに言われるしな。


 「魔法は他でも望んだ人が居たけど全属性はダメ。ただし、生活魔法として火種・飲み水・灯り・クリーンをセットにして魔法を望んだ人にはサービスするわ。水魔法で氷と熱湯ね~。これって火魔法も必要なのよね」


 ぐっ、氷があれば冷たいものが飲めるし、熱湯はお風呂沸かせる。(楽に何処でもな) 生活魔法は助かるが何とかねじ込めたいな。


「火魔法まではいいから水魔法で氷と熱湯出来るようして欲しい。ほら、年寄りには暖かなお風呂が必要なのだ!」


「ん~、年寄りって… 氷はお風呂に必要ないわよね?」


「こ、氷は… 痛む関節痛を冷やすのに必要なのっ!」


「体の悪いところ治すって言ったわよね…はぁ、まぁいいわ、火魔法は使えないのは譲れないけど、氷と熱湯は水魔法に含めるようにしとくわ。但し、攻撃的なものは無理だからね」


 や、やった!何とかなった。オレ勝つるっ!


「あとはネットスキルね。利便性が高いスキルだから、これは出来ることは出来るけど制約が多くなるわね。自身のレベルを上げることや他の条件を達成することで出来ることが多くなるわ。説明はこれだけ」


「あとは自分で解明することが付与する条件ね。あっ!直接販売してお金を受け取る事は禁止だから。二次加工するならば販売してもいいわよ。例えば調味料を購入して料理を作ってその料理を売るとか」


 厳しいな。上手くやらないと無駄の長物になりかねない。(でもビール飲みたいしな!)


「判りました。その3つでお願いします」


 他の人はもう決めたのかな?どんなのにしたのかな?


「他の人はもう決めてるんですか?スキル」


「ひ.み.ちゅ! (*≧∀≦*)」


 ぐぬぬぬ… もう無視していいか?いや!

 逃げちゃダメだ・逃げちゃダメだ・逃げちゃダメだ。


「ははは、可愛いですね天使さん」


「うふふ、夏希さん、私を愛しては駄目よ。私には彼氏がいるのよ。あっ!これはもしやNTRなの?」


 もうなんでもいいや…明日、皆に聞けば判ることだしな!

 おやすみなさ~い。

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