冬夜 ④
友人に対して思ってもいない言葉を掛ける時、不思議と言葉が澱みなく出てきます。その度に自分は冷たい人間だなぁと、思ってしまいます。
確かにどうしてこのサービスの手紙は10通までと決まっているんでしょうか。人によっては多いと感じるかも知れませんが、自分達のような人からすると少なく感じてしまいますよね。
椿のスタンプ、とても綺麗でした。ここまで綺麗に押せるものなんですね。もし先輩が良ければ、これからの手紙にもスタンプを押してもらえないでしょうか。
前の手紙の内容を妹に伝えたら、見るからに意味が分からない、という顔をしていました。まだ、難しかったかな。
実は、自分は進学ではなく就職します。自分の家は母子家庭なので、少しでも早く就職してお金を稼ぎたいんです。妹も食べ盛りで。妹にはたくさん勉強して、色々な選択肢を持って欲しいので。
幸い成績はそれなりだったので、ある上場企業に就職が決まりました。今は少しでも家計の足しにするためにバイト三昧、という日々を送っています。
本当は大学に行って生物学の勉強をしたかったんですが、現実はそう上手くいきませんね。でも後悔もしていないです。母と妹は、僕に残された唯一の家族ですから。
2人のためなら、夢を諦めるくらい何ともないことです。
少し辛気臭い話をしてしまいました。すみません。
冬夜
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