冬夜 ③

 手紙って、会話になっているようで全くそうではないですよね。書かれたことに返事をしたいのに、どうして自分の気持ちを書きたくなるのでしょうか。


 あと、手紙はその人の性格が出ますね。

 きっと霞先輩は凛とした方なのだろうと思っているのですが、文面上はどちらかと言えばコミカルなキャラクターに見えますし。



 言葉はいつも、裏腹ですよね。思ってもないことを言いますし、思っていることを言えない時もある。

 それが手紙だとすっと本心を書けてしまう。先輩が自分の手紙を読んでそんな風に思って下さっていたというのが嬉しいです。ありがとうございます。



 こうして返事を書く時、先輩からの手紙を読み返しながら文章を考えているのですが、気が付くと筆を置いて手紙を読み返してしまいます。先輩のように優しい方が自分の手紙を読んで笑っているところを、見てみたいです。

 それと、自分はごく普通の学生です。あまりマイナスなイメージを付けないでください。



 好きな花は、椿です。時期になると自宅の近くの公園に咲いて、とても綺麗なんです。色は白です。その椿が、白色だったので。



 本当に、書き足りないという一言に尽きます。実はこの手紙を書いている時、小学生の妹に面白いことを言われまして。


「お兄ちゃん、楽しそう」と。どうやら想いが溢れるのは、手紙の上だけではないようです。

 自分も先輩からの手紙が待ち遠しいです。最近は毎朝郵便ポストを確認するのが日課になっています。




                  冬夜

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