思い立ったが、吉日
世界中の言語に精通しているわけではないが、日本語は魅力的だと常々感じる。
洋画を鑑賞するときに圧倒的字幕派なのは、耳から入ってくる表現と、目から入ってくる翻訳のニュアンスの違い、文化に馴染むよう工夫された言い回しに感動するからだ。
私は諺や慣用句など「座右の銘」に挙げられるような言葉が好きで、特に気に入っているのは「石の上にも三年」「守破離」「思い立ったが吉日」である。
日常会話で使用することは滅多にないけれど、何か思い切りの必要な場面では「成せばなる。成さねばならぬ、何事も。」なんて頭の中で考えたりする。
実体験がその言葉に親しみを生むように、先に述べた3つには思い起こされる経験があるのだが「思い立ったが吉日」に至っては人生を変えた。
私が「かくこと」を決めた時、飛行機を降りて1番にとった行動は、Ipad用のキーボードをネット通販で購入することだった。大国が産んだ巨大マーケットと日本の郵送システムに感謝しつつ、手元に届くまでの24時間は構想に耽った。
憂鬱な月曜日は帰宅後の楽しみによって瞬く間に過ぎ、添削を終えたのは深夜。
これまで「読む専」だったサイトへ投稿し、満足感と興奮でふわふわした気持ちを抑え、なんとかベッドに入ったのは午前3時を過ぎた頃だった。
そうして寝不足の頭で、最初に目にしたのは「私の書いた文章が、誰かに読まれた」ということを示す通知。本当に、心から、幸せだった。
これからは「継続は力なり」を体現できる人であるよう努めることを決めた。
鴨の羽
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