第3話

閃光は眩いばかりに眼前に広がり始めた。

一体何が起こったのか全く分からなかった。

いや、分かるはずもないほどに一瞬にしてあたりの人々の命を奪い、建物は破壊された。


ミサイルが天から豪雨の如く撃ち込まれた。


と理解するまでに30秒ほどの途方もなく長い時間が流れていた。


閃光が光ったあと、地上から上空に向かってドス黒い煙が大きな煙突のように立ち上った。まるでその場で亡くなった人たちの魂が一つに固まって大きな生命の木になったように思えた。


やけただれる、泣き崩れる、子供の足を抱きしめている、胴から離れた頭がゴロゴロところがっている。

そんな阿鼻叫喚が今まで平和だと決めつけていたぬかるんだ世界を埋め尽くした瞬間だった

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君は善と悪を語ることが出来るか 橘 タカシ @kominatoyu

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