第15話 明日香の初恋 (明日香目線)
私は今まで恋をしてこなかった。
別に恋に興味無いとかそういう訳では無い。
逆に恋をしてみたいとすら思った。
自慢ではないが私は結構モテるし告られる、
けどどうしても友達以上で考えれない。
だから、あえて理想を高くしてみんなに広めて男を寄せつけないようにもした。
あまり意味なかったけど、、、
だが、私は今確実恋をしている。
彼、金城 海斗に、最初はただ超がつくほどのイケメンくらいのイメージしか無かった。
主に、キュンと来たのは2回だろう。
1回目は、練習試合の日だ。試合時間ラスト5分で1点を追いかけている状態で、試合に出てきてから、圧倒的存在感。おそらくフリーキックで1点目を決めて、その後の、相手のコーナーキックからの、ラスト1分感もない中での、圧倒的な個人技での、ゴール。
あれを見たときまるで、彼がまるで漫画の主人公みたいに見えた。私は思わず喜ぶのすら忘れて彼をみつずけていた。
だが、この時から好きだっただろうが
自覚はなかった。
海人くんが加奈とだけ、付き合うのが嫌だって思うくらいだった。
だから、分からないけど付き合ってみるのもいいのかな?みないで、
なんか憧れ=好きなのかも?くらいにしか思っていなかった。
そして2つ目、これが私に1番大きな、
海斗君への気持ちの変化だっただろう。
私が、運動会のリレーで転んでしまい。3位にってしまった。
総合的にも抜かされ、このままだと、
1位になれなくなる時、
私は自分のせいで負けたということと、
みんなと一緒にいるのが辛かったので、
木の裏に隠れて泣いていた。
だが、そんな時、海斗君が来た。
最初は、恥ずかしくて、顔を伏せようとした時、海斗君が、私の涙を指で拭いたのだ。
私は、羞恥心を通り越してボーっとしていた。その時は、残念ながらそこまで覚えていないが、俺の見せ場を作ってくれてありがとう。みたいな事だった気がした。
そして、1位で独走している、2組が来た。
私は1組が負けたと思った。
だって、2組のアンカーが西野君っていう、海斗君が徒競走で勝つまでは、5年生最速だって言われていたからだ、それに距離だ。いくら海斗君が足が速くても無理だろう。
そうなると、結局私のせいで、1位を逃したことになる。また涙が込み上げてくる。
顔を伏せたくなるが、なぜかそんなことは出来なかった。もしかたら、海斗君なら勝ちそうだと思ったからかもしれない。
そして、海斗君は走り出す。
ゴール直前や、なんとあそこまであった距離を海斗君は追いついている。
いつもの私なら、怖くなって目をつぶっただろう、別に私が頑張って目を開けていたわけでない、
海斗君がバトンを貰って走っている途中から、海斗君から目が離せなかった。
そして、気づいたら海斗君は西野くんを抜いて勝っていた。だが、それでも目を離せなかった。まるで金縛りであるかのように
これから、私は学校でも気づいたら海人君を
目で追ってたりしていた。
海斗君が、何をしてるか考えたり、
海斗君に登校時間合わせたりしていた。
そして、なんやかんやで、夏休みになった。
だが、この夏休みが地獄だった。
私は、いつもの夏休みは、
友達と遊んだり、家族とどっか行ったり、
加奈と遊んだりしていた。
だが、今年の夏休みはとても海斗君に会いたくて仕方なかった。
電話してさそおうと思って、誘うか誘わないか電話と30分にらめっこして誘わなかったり。運動会の写真の海斗君を見たり、
自分で自分がおかしくなっていくのに、
気づいた。これは俗に言う変態というのでは無いのだろうか?
そして私は、意を決して今の気持ちを
全部ママに話した。
そしたらママがとてもニコニコしながら、
「ふふっ、明っちゃんにも春が来たのね。
それなね、恋って言うのよ」
「ほんど?変態じゃないの?」
「ふふっ、大丈夫変態ではないよ」
「よがった。恋かぁー、恋なんだね!」
なんか恋と言われていた、迷子だった感情がスポンっと落ち着いた気がした。
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