第11話 地区大会 (一回戦)
俺は今、東京にあるサッカー場に
地区大会の一回戦をしに来ている。
相手は、前回ベスト8のチームだ。
「なぁー、今日さ、この試合で何点取れるかでジュース一本かけて勝負しない?」
「いいよ、じゃー、
一点取るにつきジュース一本ね」
「3点は取るわ」
ちっ、胸糞悪い。こいつらまだ、試合すら始まっていないのに勝った気でいる。
まぁ、それもしょうがないだろう。
前回の地区大会をほぼ5年生の力だけでベスト8までいったチーム、
それが6年生にもなったら、初戦なんて、余裕だと思うだろうな。
だが、あいにく他のメンバーはともかく俺は負ける気がしない。
「では、各チームのリーダーはコイントスをするので集まってください。」
それに従って、両チームのリーダーが、審判のところまで行く。
コイントスの結果、こっちがマイボールになったそうだ。
俺はセンターサークル(サッカーのピッチの真ん中にある大きな円)の真ん中に行き、
試合の開始の合図の笛が鳴るのを、
ストレッチをし体をほぐしながら待つ。
「ピッ」
笛が鳴った。それとほぼ同時にあるキックオフのパスを受ける。
普通ならここで一度ボールをボランチかディフェンスに渡して落ち着かせるが、今回はそんなことしない。
ボールをもらったら、俺はすぐドリブルで相手コートに侵入する。
相手は、一瞬動揺したが、すぐ切り替えボランチの子がボールを奪いに来た、
俺はそれをヒールリフト(足と足でボールを挟み、相手の頭上にボール飛ばしに抜く技)でボランチを抜き、
上に軽く上がったボールをリフティングでドリブルみたいに何回かタッチする
。寄せに来たディフェンスの頭上を通してキーパーの前に蹴る。
それと同時におれは、足の速さを活かしディフェンスを追い抜く、
その後、冷静にキーパーと一対一を決め。先制点をあげた。
そして俺はこれからも止まらずサッカーという名の蹂躙をすることになる。
そして40分が経ち試合が終わった頃には、点差はさらに開き10ー0と圧倒的なまでに差がついていた。
その試合では、
9得点1アシストと勝利に大きく活躍した。
その後にあった、2試合目(ベスト16)は、12ー0で勝ち。俺は10点1アシストをした。
3試合目は準々決勝(ベスト8)は7ー0で勝ち俺は6点を決め活躍した。4試合目(準決勝)
は8話0と圧勝し、俺も7得点を決めた。
決勝はどういう試合ができるのか楽しみだ。
* * *
(監督目線)
私が持ってる少年団は正直強くない。
もちろん私もできれば勝ち進みたいけど、
今回の地区大会も客観的に見て、ベスト16ぐらいでおわるだろうと、
だが、そんな時考えていたことを、一瞬で狂わすほどの選手が入ってきた。
私が、彼海斗を見た時は、衝撃を受けた。
まず、ドリブルだ。まるで足に磁石がついているのではないかと思うほどのドリブル。
そして、小学生では小学五年生の中では、
トップに立つのではないかと思うほどの足の速さ。
キレがあり、精度の高いシュート。
そして何より、練習試合で見せた、あの圧倒的な存在感と勝負強さ。
彼が入っただけで、このチームは普通くらいから一気に強豪に変わったそんな気がした。
実際、今回の地区大会での3試合の試合結果を見れば誰もがそう思うだろう。
だが試合を見ればそんな考え吹き飛ぶ、試合をたった一人で敵味方関係なくまるで支配しているように錯覚するプレーそしてそんなプレーに誰もが魅せられるだろう。
海斗は恐らくこんな所に居ていい人ではないだろう。
もっとレベルが高いところでプレーさせてあげればもっと上手くなるだろう。
だが、そのためには、まず、全国大会に出場して、彼の存在をプレーをみんなに魅せなければない。
それが今私の目標だな。
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