第7話 勘違いから始まる一日

明日香ちゃんに言われて、明日香ちゃんの従兄弟とサッカーして欲しいと頼まれてから3日経ったそして今日がその約束した日である。

だが、今俺の目の前には想像もしていなかった光景がある。

まず、俺は明日香ちゃんの従兄弟と、2人でサッカーするつもりだったんだが、明日香ちゃんも来たことである。

明日香ちゃん曰く、「サッカーはしないけど、見に来んだんだ、もしかしていやだった?」だそうだ。俺からしたら全然OKどころか、両手でカッツボーズをしたいくらいである。

だが、この後起きた事と比べれば、ぜんぜん驚きは小さかったと言える。

従兄弟が来た時、

最初は全く分からなかった。

いや、それは当たり前だろう。はじめて会う人だわかるわけが無い、だが俺が言っているのはそういうことではない。

一応、詳しく場所を決めたり、どんなキーホルダーをつけているのかなど、身長を聞いたりしたが、全くわからなかった、いやわからわけがないだろう。

もし、明日香ちゃんがいなかったら、近くにいても気づかなかったかもしれない。

従兄弟は従姉妹であって従兄弟ではなかっからである。

つまり、サッカーをしていると聞いたから勝手に男の子だと決めつけていたが、実は女の子でそれも美少女だったのだ。

そんな、状況に少し戸惑っているのを相手にばれないように取り繕って、自己紹介する。


「はじめまして、俺の名前は金城 海斗

今日はよろしくね。」


「うん!はじめまして、私の名前は、

 伊藤 加奈です。よろしくね。金城くん!」


「ねー、加奈ちゃんもうサッカーする?」


「うん、しよー。明日香は悪いけど見ててね。」


「うん。もっちろん!

見てるの好きだしね。」


そのあと、一時間ほどサッカーをした。


「いやー、金城くんサッカーうますぎ!

ドリブルも超うまいし、ディフェンスなんかうますぎない一回も抜けなかったんだけど」


うん。ごめんなさい。未来を少し見えるんです。どっちくるのかわからんです。

だから、自力の差が開きすぎてない限り止められるんです。少し罪悪感はあるけど、

まぁいっか。


「そう?ありがとう。他のスポーツもやらない?明日香ちゃんも入れて」


「うん、もちろんいいよ!何やる?」


「え、私も入れてくれるの?

ならさ、バトミントンしたい。

ラケットと羽持ってきたからさ、総合体育館行ってバトミントンしよ?いい?」


『うん!!』


「じゃー、俺は体育館借りれるか聞いてくるね。」


『わかった。ありがとう』




※ ※ ※



「ねー、明日香、金城くんカッコ良すぎない?私彼女になろうかな」


「へー、そうなんだ、って、えっ、

ダメ、ダメだよそれは、絶対ダメ。」


「えー、なんでー、彼女じゃないんでしょ」


「彼女じゃなくても

ダメなものは絶対ダメなの。」


「ふふ、なーんだあんたも好きなんだ」


「っ、じゃあ二人で彼女になるならいいよ」


「えー、やだ、まぁ私が一人目の彼女で、明日香が二番目の彼女だったら、いいよ」


「もー知らない。じゃー、競争ね!

だけど、海斗君のこと結構好きな人いるからうかうかしてられないよ。」


「あっ、やっぱりそうなんだ。頑張らないとね。あっ、金城くん戻ってきた。」


「「ただいま」」


「ん?おう」

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