第24話 サムライ!? 現る!

「こ、これは……目が黒線で隠されていて分からねー……」


「その辺は勘弁して貰えないでしょうか、未来機密法があるんですよ」


「なにそれ?」


「すみません、詳しくは僕もまだ勉強中でして……」


 いやそれ駄目だろ……こいつ本当に刑事なのか?


「とりあえず見せちゃ駄目なんだな?」


「そうですね、流石です! で、どうです?」


「なにがだよ」


「ですから、この人物を見たことがあるかなと」


「いや、これじゃわからねーからな」


「フッ……所詮は庶民ですね……役に立たない……」


「お前もな……じゃあもう用は済んだろ? 行こうぜ銀髪」


「おう! 弁当!」


「ちょっと待ちたまえ! まだ用は済んでいないぞ!」


「何だか知らねーけど、お前の仕事だろ? 自分で探せよな」


「そ、そう言われると辛いなぁ……済まなかったよ……これは僕の仕事だものね」


 古代は突然落ち込んだようなフリをして、こちらの様子をみている。とりあえずこれ以上は付き合っていられないし、このまま無視してコンビニへ向かうことにするか……ねこも待っているしな。


「そうだなーーーー! 済まなかったーーーー! これは僕の仕事だものねーーーー!」


 俺がその場を立ち去ろうと背を向けた瞬間、突然古代が大声で叫びだした。これは絶対に振り返ってはいけないやつだ……このまま無視をして一刻も早くこの場を離れるぞ……


「急ぐぞ銀髪! コンビニは目前だ!」


「おう!」


 銀髪も察したのか短い足で早足になった俺に一生懸命ついてくる。頑張れ銀髪、今ここで立ち止まったら新製品に出会えなくなってしまうかも知れないぞ!


「了解だ! 集塵!」


「また俺の心を読んだのか?」


 俺の方を見上げると銀髪はニカっと陽気な笑顔を見せてきた。全く程々にしてくれよな……

 

 よし! この角を曲がればコンビニに到着……だ……れだ……ん? あと少しという所で突然俺たちの前に身長百八十はありそうな屈強な男が立ち塞がっていた。


「そこの者たち! 止まるのだ!」


 なんかどこかで見たことあるぞ……


「集塵! あの目を隠している黒い棒のようなもの!」


「それだーーーー!」


 あの写真の黒い線は意図的に編集して隠したものではなくて、サングラスみたいな物だったんだ! なにが未来機密法だよ……最もらしいこと言いやがって。


「拙者はリュウイ! 良い子の味方! いつでも剣を真剣に振るでござる!」


「突然だなおい……誰もお前の名前なんて聞いてねーからな」


「拙者は超未来刑事ちょうみらいでかに追われているでござる! かくまっていただけないだろうか!」


「いやまて、良い子の味方なんだろ? なんで追われているんだよ」


「そ……それは……」


「なんだよ、言ってみろよ」


「それは言えないでござる!」


「なんか中途半端に時代劇のような台詞を挟んでくるな……」


「銀髪、こいつ何を隠してるんだ?」


「いいのか?」


「ダメーーーー! やめるでござるーーーー!」


「まだ何もやってないだろ?」


「やってからじゃ遅いでござる! なんか嫌な予感しか拙者しなかったでござるよ?」


「心眼かな?」


「そ……それは違うと思うでござる」


 とりあえずどうするかな……さっきの奴が刑事だったよな? ということは目の前にいるコイツは……


「お前、悪者か?」


「違うでござる! それは勘違いだから!」


「なんかキャラが安定してねーなーもしかしてなんだけどサムライのつもり?」


「拙者は……サ、サムライぽいっていうか……何ていうんですかねぇ……」


「こらこらキャラ作りはしっかりしとけよ……」


「か、かたじけない!」


「とりあえず匿うつもりは無いけれど、俺たち今からコンビニに行くんだ、そこの角曲がればすぐだから一緒にくるか? 建物の中だし隠れること出来るんじゃないかな?」


「それは助かるでござる」


 そこは、かたじけない! かな? 俺も分からなくなってきた。


「じゃあ、いこうぜ!」


「おう!」

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