第23話 超未来刑事! 古代登場!!
銀髪が俺の部屋に住み着いて数週間が経つけれど、正直この生活をいつまで続けていいものかと思うことがある。
そもそも何処からきたのかも分かっていないし、よく分からん星から来たみたいなことを口走っていたような気はするけど、そこを突き詰めるのも面倒だ。そして今、俺はその張本人と共に昼飯の調達に向かっている。
それにしても、こいつはホームシックとかに……
「集塵! 今日は何弁当にするか決めたか?」
……ならねーな、ホームシックなんてものとは縁がなさそうだ。
「決めてねーよ……今から決めても新製品が発売してるかもじゃねーか」
「ああああああ! 天才だなお前!!」
「お前が考えな過ぎなんだよ……あと、ねこの分は俺が決めるからな」
「なんでだ! わたしが選びたいぞ!」
「お前は自分が食べたいものしか選ばねーじゃねーか!」
銀髪は目をそらして口を尖らしている。何が気に入らねーんだよ……
「……なぁ、集塵」
「ん? なんだよ」
「あれはなんだ?」
「あれ?」
俺は銀髪の細指が差す右斜め辺りの空を確認すると、なにやら丸く光ってイッ!?
「危ないっ! 銀髪逃げろっ!」
その丸く光るそれは突然、猛スピードで俺たちの方向へ迫ってきた! あまりの速さに逃げることは出来ないと諦めかけた瞬間、その丸い光は俺の目の前で停止をした。
「君は庶民か!」
丸い光から声が……俺に話しかけているんだ……よな?
「君は庶民か!」
再び声を掛けてきたぞ……庶民か! とか言われても困るんだが……
「君は庶民か!」
「しつけーな! 多分庶民だよ!」
「そうか! 了解だ! 今、平常時モードになる! そのまま待っていてくれ」
「なんでだよ……」
「チェンジっ! 安心安全っ!」
怪しい掛け声が辺りに響きわたる……その瞬間、丸い光から人の姿に……いやまて……頭に獣らしき耳が……よく見たら尻尾も付いてるじゃないか……
「やあ! 僕の名前は
「二回言わなくても分かるから……」
「フっ……驚くのも無理はない、何故なら僕は
「何そのまるで知ってて当たり前のような言い方」
超未来刑事ねぇ……どう見ても普段よく見るサラリーマンの着る背広なんだけど……インナーの白シャツなんて、まんまその辺で売ってるやつじゃねーか……最も他の部分は銀色に輝いていてあまり見かけたことはないけれど……。
ビジュアルは某ジュニアアイドルのように甘いマスクをしているな……そのせいか同性の俺でも気を許してしまいそうだ。
「あっ! わたし知ってるぞ! 小さい頃テレビでみた!」
「知ってるのかよ……しかも小さい頃って今も小さいからな」
「フっ……お嬢ちゃん、僕のことを知っているんだね! 光栄だよ! 今日はハートフルな一日を過ごすといいさ!」
「銀髪……あんまりこういう奴とは関わらない方がいいぞ」
「わかった!」
「楽しく話している所、悪いんだけど君たち二人に協力を願いたい! 見たところ暇そうだし協力して貰えるよね?」
「失礼な奴だなー悪いが俺たちは暇ではない、他をあたってくれよ」
「そこを何とかお願い出来ないだろうか? もし協力してくれたら、この僕が装備しているケモミミカチューシャ零式をプレゼントしようじゃないか」
「それ、大切な装備か何かじゃねーのかよ」
「安心してくれ! これは僕の趣味で未来ネットショップで注文したものだから問題ない」
「飽きたのか?」
「少しね!」
「爽やかに言うなよな……」
うーん、この嫌な予感しかしない感じはつい最近にも経験したような……次から次へと俺の前に変な奴が現れるなぁ……
「銀髪どうする? 弁当買いに行くの遅れるかもだぞ?」
「それは困るな!」
「だよな? やっぱ無理だぜ、なんだっけ? こしろさん?」
「お前わざと間違えているだろ……まぁいい、これを見てくれたまえ!」
「ん?」
古代と名乗る怪しいケモミミ男は胸元の内ポケットから一枚の写真を取り出して見せつけてきた……その辺は未来の癖に古臭い手法なんだな?
「君たち! この男を見かけなかったかいっ!」
――その写真に写っている男は目の部分を黒い線で塞がれていてよく分からなかった……。
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