追憶探偵〜瑠璃色の夜想曲(ノクターン)
シンヤ レイジ
追憶
リンリンリン――
「……もしもし?」
頭や腹をボリボリと掻きながらいつものように電話に出た。
「あ、依頼。はい……なるほど。それで?」
電話の横にあるメモ紙にさらさらとすごいスピードでメモをとっていく。
「はい、じゃあ明日。ドーモ」
チン!と古めかしい音を鳴らして黒電話を切ると、青年は猫背になってふぅと息を吐いた。
のそのそと少女の部屋へ向かうと少し躊躇ってコンコンと扉をノックした。
「るりぃ〜、入るぞ〜」
「ちょっとまって! 5秒! 5秒待って!」
「そう。じゃあ、いーち、にーい、さーん……」
扉の前で24を数え終わるところで扉がガチャリと開いた。
「……24秒」
「女の子には色々あるの!」
この子は
銀河のような紺色の長い髪の毛が美しい13歳の少女。
瑠璃は《追憶》の能力を持つ数少ない人間だ。
《追憶》とはある条件を満たすと過去に生きていた人間のエネルギー記憶に
遥か昔はいわるゆ「霊媒師」や「口寄せ」などと言われる職業に就いていた人間達だ。これらの職業は
「どうしたの?」
瑠璃が綺麗な髪をなびかせて
「あぁ、新しい依頼。明日午前9時に、白尾山の麓の町」
「白尾山かぁ〜……じゃあ、温泉に入れるね!」
秋人とは裏腹に瑠璃は無邪気に笑って見せた。
追憶探偵〜瑠璃色の夜想曲(ノクターン) シンヤ レイジ @Shinya_Leyzi
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