色々驚いたけどまあ何とかなるかと思う私
彼女がそこまでこそこそと話してくれた時、私は目の玉が飛び出るかと思う程驚いた。
「ええと、つまり貴女」
にっこりと彼女は笑った。
「別に、そんなに悪巧みではないでしょう?」
「……まあ、確かに」
「今の状況だったら、いくら彼がうちでは普段ならあまり歓迎されない系統の家の出だとしても、大丈夫なんじゃない?」
「そ、そうかもしれないけど……」
「まあどんな後妻をもらっても愛人を作っても、どうしても子供ができないことが判れば、向こうも自分のせいだと気付くんじゃないかしら? まあ、認めたくはないでしょうけどね」
はあ、と私は大きく息をついた。
全くこのひとは。
昔からそうだ。
きっと自分の受けたどんな傷であったとしても、それを武器にできる。
その時できるだけ幸せになるために。
とはいえ、一抹の不安はある。
このひととエフゲニーが、結婚したとして、そのまま「ずっと幸せになりました」なんてやっていけるのだろうか……?
まあいい。
それはまた、その時心配すればいいことだ。
とりあえず、私はこれを聞いておこう。
「それで、私は今度の結婚式のためにいつ頃を空けておけばいいのかしら?」
子無し離婚の契約も必ずしも悪い訳じゃなかったってわけ。 江戸川ばた散歩 @sanpo-edo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます