桜迷路を駆け抜けてゆけ(向日葵・夏さんへ)
向日葵・夏さんへ
「かなめさん、知らなかったんですか? 夏ちゃんは女子中学生ですよ?」
私は、共通の友人である神楽耶さんからこの事実を教えてもらったとき、まじで背中にぞぞぞと鳥肌が立ちました。終わった……。たしかにそう、感じたのです。
というのも、五分前。
LINEを交換したあなたのことを、私は男子高校生か男子大学生だと思っていました。ゆえにしょっぱなから全開で臨みましたね(いや、男子高校生や男子大学生でも全開とかいけないのだけど)。
「さっき友達とアオカンの話で盛り上がっていたんですよ」
「ぼくはアオカンしたことないんですけどね、そいつは職場でやったことあるとか!」
夏ちゃんは冷ややかなのか冷静なのか、私のイオナズンを軽くあしらってくれました。
そして私はすぐにあなたに謝りました。あなたは「いえいえ、むしろそんな感じでオッケーです!」みたいな感じで返してくれましたね。すげぇなぁ。どれだけ大人な対応なんだ。ほんとうに悪いことした……。私はこころの中で合掌をしていました。
さてそんな夏ちゃんですが、小説に絵、二つの創作を行なっていらっしゃいます。たまにどちらもできる人をお見かけするのですが、私はそのたびに尊敬の念を覚えているのです。だって私は、絵心なんてまーったくないのですから! でも、見るのは好きです。だからこれからも、あなたの進化の過程を追わせていただければと考えております。
そういえば今日、四月六日はあなたの誕生日なのですね。
いい季節です。なにかが終わってなにかが始まる、そんな予感に満ちた季節です。桜は満開のころを迎え、人々は桜迷路を縫ってそれぞれの生活へと歩を進める。私たちが、たしかに生きている、と思えるような季節なのです。あなたの未来が輝くことを願っていますよ。私は30歳を過ぎてから小説を書き始めました。出だしが遅かったことを、たまに悔しく思ったりすることがあります。だけどほら、あなたの未来は無限大。なんでもできる。まだ出会ったばかりではありますが、これからも奇跡の奇跡を楽しませていただければと思います。
いつの日か、大人になったら。
下ネタにもつきあってくださいね。
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