静かなる才能(月音さんへ)

月音さんへ


 月音さんと初めて会ったときのことは、今でもハッキリと覚えています。


 かつて、いっくん大賞という企画がありましたね。あれに応募してくださった方の作品を、各審査者に振り分けていたのは私でした。しかし月ちゃんの小説をちらりと読み、かつあなたのツイートを読んで、(ぜひこの人は自分が担当したい!)と思ったのです。


 というのも、出オチになっちゃいますが、私は月ちゃんの小説に大きな魅力を感じたからです。じつは私のなかには(次に書籍化するだろう候補)というのがあります。勝手な、個人的な予想です。私はその候補の一人として、月ちゃんを想定しているのです。女性向け小説としてのカラーが確立しており、シナリオがよくできている、描写もうまい、なによりコンスタントに長編を書く力がある。書籍化のための要素を、あなたは高いレベルで満たしていると感じられるのです。

 第二回の企画では途中で落選となりましたが、あれはじつのところ点数僅差で競っていたのです。その結果として、なにがしくんとあおさんの小説を決勝に残しましたが、あなたの小説もほぼ近似値で競っていました。読む日やコンディションが違えば、あなたが決勝に進んだのではと思います。第三回では決勝において、私はあなたの作品を推しました。あれも大賞~4位までは競っていまして、楽屋裏を話しますと、あと誰かが1点でも入れたら、あなたの作品は4位ではなく大賞だったのですよ。事実、途中投票の8割か9割終了時まではあなたの作品がトップを走っていました。


 長くなりましたが、つまり私は月ちゃんにこう言いたいのです。


 あなたには才能がある! 自信をもって、どんどん作品を書いてほしい! と。


 そして私はですね、才能があるからという理由だけで月ちゃんと仲良くしているわけではありません。当然そうですけどね(笑) 月ちゃんは優しく、そしてかわいい。なにが一番かわいいかって、ご主人にデレデレしている月ちゃんが一番かわいい。私はあなたの人生の転機に立ち会っている気持ちです。これからきっとすばらしい毎日を送っていくことができるでしょう。


 あなたとキャスをしたり、LINEで通話をしたり。いつもめちゃくちゃ近くにいるわけではないのですが、自然と話せるこの関係が心地よいです。


 いつかあなたの本を書店で見ることができたら。私はあなたのLINEにこう書きますよ。


 おめでとう、ちんこ。と。

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