【10話・それは、それは、泣いたスズノネ。】

 日張丘雲雀が悲しそうな顔のまま帰った後、私はベッドに倒れ込む。溜息と呻きの混じったものが、口から溢れ出る。寝返りをうった視界の端に、あのアルバムが見えた。気を紛らわそうとアルバムを手に取った。日張丘雲雀が手を止めたあのページでまた私の手は止まる。祖母の亡くなった時の事が私の脳裏を過ぎった。

 思い立って私はリビングまで降りる。固定電話のメモリから番号を探し出して、親戚の叔父に久し振りに電話をかけた。祖母が亡くなった後、祖母の家を継いだ私の叔父である。数年振りの彼の声を聞いて私は懐かしく思った。聞いてみると彼はもう今年で四十手前であると言う。記憶の中の叔父はもっと若い印象であった。

 最近すっかり交流の無かった私が突然電話をかけた理由。私は彼にお願いをしたのだ。祖母の家に保管してある筈の、私の古い日記だとか手紙の類を送って欲しいというものである。

 彼は、確か押入れにしまってあった筈なんてぼやきながら、私に事情を聞いてきた。突然、私がそんなものを見たくなった理由を。

 私は祖母の葬式を思い出したいのだと言った。

 あの日、私が私の半分をあげた人がいたのだと。それは一体どんな人で、誰であったのかを知りたいと。昔の自分が、そんな事を言ったことを詳しく思い出したくなったのだと。

 そのままを伝えると、叔父は少し電話の先で悩んだ後に言う。

『あぁ、あの子か。今も見えるのかい』

 その言葉で、私の背中を冷たい物が伝った。私の知りたがったその人について、叔父は知ってい様子であった。そればかりか彼は言ったのだ。

 見えるのか、と。それはどういう意味であろうか。覚えているとか知っているとか、そんな方向性とは全く違う言葉であった。見える、という言葉を私は反復する。嫌な予感がした。叔父が、私の動揺に言葉を選んでいた。

『君がお葬式の後に、急に言い出したんだよ。その子に私の半分をあげた、なんて言ってたのさ』

「その子っていうのは」

『誰にも見えない君にしか見えないお友達』

 私は叔父の言葉に返事が出来ずに固まってしまう。他の誰にも見えない私だけの友達。そんなものに当てはまる存在は、一人しか心当たりがない。

 その言葉が、叔父の言っている事が正しいのなら。幼い頃の私が、自分の半分を上げた相手は彼女しかありえなかった。幼い頃の私が、存在を口にした他の誰にも見えない友達。

 全てが一つの名前に集約される。

『鈴乃ちゃんだっけ、その子の名前』


        ◆ ゆびきたす ◆


『じゃあ、半分こ。貰ってあげる。悲しいことも辛いことも楽しいことも、全部半分ずつ』

 その言葉は、祖母の葬式の時に聞いた言葉だった。その日の私は、祖母の葬式から逃げ出して、誰もいない冷たい通路の隅で泣いていた。祖母が亡くなった事とか沢山の人の群とか、幼い私が一杯一杯になってしまう程の情報量から逃げ出した。葬儀場の冷たい床に直に座り込んで、白いレースのハンカチをくしゃくしゃにしていた。

 悲しくて苦しくて、心は苦いばかりで、私はそんな事なんて知りたくなかった。そんな痛さを捨ててしまいたかった。そんな私の前に、私と同じくらいの年の女の子が現れた。そして私にそう言ったのだ。半分を貰ってあげると。悲しいことも辛いことも楽しいことも。

 そうだ、と私は確信する。その時の光景を全て思い出す。彼女は確かにそう言ったのだ。そして私はそれに頷いたのだ。

 こんなに辛いならそんな感情は要らないと。

 その女の子は頷いて、そうして私は彼女に私の半分をあげた。私達は私達を分かち合った。

 私の部屋に戻ると彼女は居た。私の部屋のベッドに鈴乃音鈴乃は座っていた。あの真っ白な部屋ではなく、見知った私の部屋で。あの夢の中ではなく、現実の世界で。

 鈴乃音鈴乃は私の目の前に居た。今私が見ているのは現実で間違いなく、しかし空想上の彼女は確かに其処に居た。

 金糸の如く細く艶やかな金髪。青いリボンで束ねたサイドテール。くっきりとした目鼻立ちに青い瞳。少し幼さの残る顔立ちは作り物の様で、見た人間の誰もが美少女とでも言うだろう。私とは似ても似つかない、そんな彼女はいつもと変わらぬ様子で笑っていた。目の前に彼女が居ることに、頭痛と吐き気がした。此処にいてはならない存在なのに、この部屋は何の変わりもなく存在していた。

「私が私の半分をあげた相手。それはあなただ。鈴乃音鈴乃」

 鈴乃音鈴乃は、私の言葉に少し驚いた顔をした。

 祖母が亡くなった時、私は悲しくなるのは嫌だと思った。

 辛い思いは嫌だと嘆いた。

 だから、そんなものを感じてしまうなら、その心を捨ててしまおうと思った。そうした時、鈴乃音鈴乃が現れた。そうして彼女は私に言った。私は鈴乃音鈴乃に半分あげたのだ。悲しみは半分に、嬉しいことも半分に。私の心の半分を彼女にあげた。

「そうだねぇ。鈴乃ちゃんは柚子乃ちゃんの半分だよぉ」

 鈴乃音鈴乃はそう言って笑った。その笑い方はいつもの彼女とは違うもので。何処か寂しそうな顔をして彼女は言う。

「柚子乃ちゃんの半分。柚子乃ちゃんが捨てた心の半分。それが鈴乃ちゃん」

 私があの時何処かに隠した心は、本当はいつも私の側にあった。捨てた筈の種は、知らぬ内に勝手に育っていて実を付けていた。それが毒か蜜かを確かめる術もなく、私の前にそれは成っている。

 鈴乃音鈴乃の言葉を聞いて、私は妙に納得してしまう。

 鈴乃音鈴乃は、私を謗る彼女は、言ってみれば私自身であったのだ。

 私の現実から解離した、誰も知らない独立した私。正体なんて分かってみれば単純で、きっと誰もが隠し持っている筈で。私達が隠した、現実の世界に直結しないその人自身であった。

 言ってみれば裏の顔。ひっくり返してみれば本質。互いに否定しあう私達は、同じ身体に宿った表と裏。私がいつか沈めた心は、いつの間にか目の前にあった。私が溺れた先に、それはずっと其処に沈んでいた。

「鈴乃ちゃんは柚子乃ちゃんなんだよぉ」

 全ては、私が原因だった。預ける場所を求めて、私が作り出したのだ。私を、私が、そうやって存在させたのだ。

 私には分からない。どうして、鈴乃音鈴乃は「鈴乃音鈴乃」の様な存在になったのか。私は彼女を、「彼女」として描いた覚えはない。私はいつだって、鈴乃音鈴乃に憧れも求めもしなかった。彼女は私の半分から生まれて、そうして私とは全く違う人間になった。

 それとも私は、いつか、彼女の様な存在を求めたのだろうか。

「柚子乃ちゃんに柚子乃ちゃんの半分を返したほうが良いのかなぁ」

 彼女はそんなことを言う。

 私の無くしたものを、彼女は全て持っているのだと言っているみたいに。私に欠落した物が、何かが足りないのだと、そう言われているようで。

 私は少し苛立った。私のあげた半分は、今の私に、何が足りないと突きつけてくるのだろうか。何も応えない私に、彼女は寂しそうに笑った。

「例えば、愛情とか」

「そんなの」

「柚子乃ちゃんが持っていないものだよ」

 私は言葉に詰まる。それを否定できなくなる。

 鈴乃音鈴乃がそれを全部持っていってしまったから、私は今もこんなにも苦しいのだろうか。分からなくなるのだろうか。

 けれども、と私は思い直す。例え何も無くとも、其処にはそれ故に何かの余地があった。

「あなたはどうしていつも嫌味なんだ」

「多分、それも柚子乃ちゃんの半分ってことなんだよぉ。多分ね」

 だけど、やっぱり私は彼女を否定する。鈴乃音鈴乃は私ではない。自由で気ままで、言葉は絶えず曖昧で、その存在に私を重ねることなんて出来ない。私の前に居る鈴乃音鈴乃は、まるでガラス越しの光景であった。だから私は彼女を否定する。

「それでもやっぱり、私はあなたじゃない」

「なら柚子乃ちゃんの半分は返さなくてもいいのかなぁ」

「それはもう私の半分じゃない」

 私には成り得ない。私とは相容れない。

「そうかもねぇ、なら鈴乃ちゃんは何処へ消えていくのかなぁ」

 私はいつかの光景を思い出す。

 祖母の葬式の日。何処からか微かに聞こえてくるお経の声以外、何も聞こえない静まり返ったあの廊下。目の前に現れた鈴乃音鈴乃は、泣き腫らした私の前にしゃがみ込んでいた。無邪気な笑顔を私に見せていた。

 祖母が死んだ時から、ずっと泣き続けていた私の前で、鈴乃音鈴乃は無邪気に笑った。濁った瞳の中で、それは一瞬光った欠片の様で。

 目の前の鈴乃音鈴乃の姿に、あの日の私の姿が重なって見えて。私はベッドに腰掛けた彼女の顔をのぞき込む。私を見上げた鈴乃音鈴乃の瞳に映り込んだのは、紛れもない私の姿で。

「あなたはこの部屋にいるじゃないか」

 私の言葉に、鈴乃音鈴乃は一瞬、息を呑んだ。その身体を震わせていた。目を潤ませていた。

 そうして彼女は泣き出した。

 私の腕にしがみついてきて、私は彼女の肩を抱き寄せた。私達は誰も居ない部屋で抱き締め合った。私の肌が彼女に触れて、彼女の涙が私に伝う。曖昧な線を上からなぞる。

 私達はきっと溺れている。


        ◆ ゆびきたす ◆


 翌朝、嘘の体調不良は、すっかり治った。私は制服に着替えて、ローファーを履いて、玄関のドアを開ける。そこで私は振り返る。

「いってきます」

 一日休んだ学校は特に目新しさも無く、そこにはいつも通り退屈な時間があるだけであった。教室の中は文化祭の話題で持ちきりで、私はどうも所在が無かった。

 そうして放課後。授業が終わると同時に、私は携帯電話を開いた。そうして私は、日張丘雲雀を、校舎屋上に通じる階段まで呼び出した。メールを送ってポケットにしまおうとすると、携帯電話に付けた羊のストラップが、私の指に引っかかる。羊の頭を指で小突いて、私は携帯電話を鞄の口に放り込んだ。私は返事のメールも待たずに教室を出る。

 屋上に通じる階段には窓が無く、光が射し込まない踊り場はカビ臭い。私は彼女を待っていた。

 屋上までの階段には、普段誰も近寄ることが無く。何処からか、くぐもった声が壁に反響して聞こえてくる。呼び出しのメールを送って十分後、息を切らせた日張丘雲雀が階段を上ってやってきた。

 私が口を開こうとする前に、彼女はその指先にぶら下げた鍵を鳴らしてみせる。その鍵が屋上の鍵であると気が付いて私は驚いた。校舎屋上への立ち入りは、普段禁止されているはずである。

 どうやったのかと不思議がる私に、彼女は胸を張る。

「屋上の鍵をお借りしてきました」

「どうやったんですか」

「生徒会長の権限です」

 文化祭の垂れ幕設置の採寸をしたい、そんな嘘の理由をでっち上げたのだと言った。そして小さく舌を出した。悪戯な笑みを見せた彼女の姿に、私は堪えきれず笑ってしまう。普通なら手には入らない屋上の鍵を前に、私と彼女は二人で笑いあった。

 日張丘雲雀が鍵を開けると、屋上の扉は軋んだ金音を立てて。思い切り扉を押すと、その隙間から強い風が吹き込んできた。風に私達の髪が流される。少しよろめいた日張丘雲雀の手を、咄嗟に取った。

 校舎から屋上へと一歩足を踏み入れると、上履きの裏に、コンクリートのザラツいた感触がした。校舎の廊下とは全く違う独特の感触。屋上は強い日射しと風で満たされていて、この場所はまるで学校の中では無いみたいで。その開放感に私はつい伸びをした。屋上から見渡す、眼下に広がる光景は、ひどく小さく見えた。

「わたし、今悪いことしてますね」

 日張丘雲雀が両腕を広げてそう言った。屋上に居るのは私と彼女の二人だけで。そんな事、他の誰も知る筈がない。この場所は何処からも切り離されていて、私達はそんな場所で強い風を受けていた。日射しに照らされて隠れる場所もなく。

「嘘を吐いて結女之さんとこんな所に居るんです」

 彼女は照れた笑顔を見せた。その表情に私は虚を突かれる。

 生徒会長である彼女は、今はそうでないように見えた。鍵を手に入れるために嘘を吐いて、そうしてそんな風に笑う彼女は、彼女の肩書きを何処かに忘れてきてしまったようで。そんな彼女を何と呼ぶのか、私以外きっと誰も知らない。

 強い日差しに、彼女の額に汗が滲んだ。彼女は取り出したハンカチを額に当てていた。一層強い風が吹いて、その手のハンカチが風に飛ばされる。あっ、と彼女は短い声を上げた。慌てて手を伸ばしたけれども、ハンカチは風に流されて何処かへ飛んでいってしまう。それを見送る彼女の背中に私は言う。

「私は自分を人を愛したり、愛されたりしない人間だと思っていました」

 風に流される長い黒髪が宙で踊って、それに彼女は手をやった。私が言葉を続けるのを待っているようで、彼女は何も答えなかった。

 人を愛したり愛されたりしない。私はずっと自分をそう思っていた。

 それは何故か決定付けられた事項の様に感じられて、私は否定する術も知らなかった、いや知ろうとしなかった。

「それは誰かに言われたような言葉がきっかけだった様な気もしますし、物心付いたときには気が付けば自分自身をそう思っていた様な気もします」

 あの時、私は「私」を底に沈めた。

 鈴乃音鈴乃が持っているのが、私の欠落したものであるならば。

 鈴乃音鈴乃から私を返してもらったらば。

 私はどんな私になるのだろうか。私達は裏表であると鈴乃音鈴乃は言った。なら、彼女は私に何を求めるのだろうか。私は何を渡せるだろうか。でも、そんなのはもうどうでも良いことで。

「結女之さんは一番最初、わたしに鈴乃音鈴乃だと名乗りました」

「そうですね」

 でもそれは、鈴乃音鈴乃になりたかったわけでも、鈴乃音鈴乃を求めたわけでもない。日張丘雲雀という存在に、私が繋がるのを恐れた結果だ。けれど私は欲しがってしまった。私が出会ったのは日張丘雲雀という人間で、私は日張丘雲雀という人間に近付きたいと思った。

 彼女は私に向けて言葉を紡ぐ。

「でも、わたしは結女之さんを知りたいと思ったのです。今も結女之さんは、結女之さんのことを、そう思っているのですか」

 私は人を愛したり愛されたりしないとそう思っていた。私が鈴乃音鈴乃にあげてしまったものの中には、もしかしたら本当に、鈴乃音鈴乃の言う様に、愛情も含まれていたのかもしれない。

 けれども、私は日張丘雲雀に近付きたいと思った。日張丘雲雀という存在を知りたいと思った。その感情を何て呼ぶのかは、その彼女が教えてくれた。そして彼女の持っているものと同質のものであると私は思った。

「日張丘さん、キスしてください」

 私の言葉に、目の前の彼女は動揺して顔を真っ赤にする。それでも私は何も言わずに彼女を見つめる。

 彼女は私を見て、そうして視線を外して。何度かそれを繰り返してから、彼女は私の肩に両手を添えた。その手に力が入って日張丘雲雀の唇が、私の唇にゆっくりと当たる。その感触は、私の違和感として処理されて。

 やっぱり私は彼女に劣情なんてしなかった。

 私からそっと唇を外した日張丘雲雀に私は呟く。目の前の彼女が、私の瞳を見つめていて、そこに映った私は何処か悲しい顔をしていた。

「私はあなたと同じ線の上には立てなかった」

 私は日張丘雲雀に近付きたいと思った。

 芽生えたそんな気持ちを、私は知らなかった。日張丘雲雀と同じものであると、彼女が教えてくれるまで私には分からなかった。

 だけど私は日張丘雲雀と同じ感情を抱けなかった。

 私達の相違は、私達が同質だから生じたことで。私は彼女の中の異質を受け入れても、許容しても、理解しても、私の中にはそれは生じなかった。行き場の無い私の感情を、どうやって抱え続けるのか。それが私には分からなかった。

 言葉が途切れて、日張丘雲雀がその指先に預けた鍵を見つめる

「いつだって同じである必要なんてないのかもしれないと、最近そう思うのです」

 強い風が一瞬止んで、校庭からは野球部のかけ声が聞こえてきた。吹奏楽部の演奏は以前聞いたときより音が揃っていた。風で乱された彼女の髪に、彼女は彼女の指先を通す。

 風で目が乾いて、何度か瞬きをするとコンタクトレンズがズレた気がした。

 答えなんて無い。私が求めたものは、鈴乃音鈴乃も多分持っていない。

 なのに、だから、だけれども。それを求めて、それを貰えた気がして。

「途切れたり、ズレたり、すれ違ったり。それで良いと。だって、どこかでわたし達は交差している筈なのです」

 日張丘雲雀はそう言った。そう言う彼女の表情は初めて見るもので、なのに何処かで知っていた気がして。

 深い海の底で、息も出来ずにいた彼女は。射し込んでくる光を求めて、手を翳していたのかもしれない。重なり合わせたとしても、ガラス越しに触れたとしても、其処にあることは変わらず、其処に居続けるのかもしれない。

 それに、もしかしたら。私達が抱えた歪んだ構造は、光の屈折でそう見えるだけであったのかもしれない。

 それらは全て不明瞭で、私達が勝手に作り出して抱えた虚構と仮定だと。

 そう言われてしまえば、それはまるで泡のように、簡単に消えてしまうのかもしれない。泣き出したくて俯いた先に出来た影、そこには何が隠れている訳でもないのかもしれない。

 それでも、私達は。どうしてか息が出来なくなるのだ。

 私達はきっと溺れている。

 そんな私達が、欲しがっていたのは。多分、きっと、そんな簡単な言葉なのだ。

 でも、それはまた、私達を沈めてしまうだけだとも言えた。

「それでは駄目でしょうか、柚子乃さん」

 私の名前を呼んだ日張丘雲雀は手を後ろで組んで、長い髪を強い風に預けて。

 日張丘雲雀は私に微笑んで。

 その表情を見て私は虚を突かれる。

 やっぱり私は、日張丘雲雀が好きであった。


【ゆびきたす 完】

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