お姫様は話したい―②
投獄されてしばらく経ちました。
いったい私はいつまでここにいなければならないのでしょうか。
何もすることがないですし…
「どうしてこんなことに…」
私が思わず声に出してしまうと誰もいないはずの場所から声が聞こえてきました。
「アイ…リス…?」
誰でしょうか。アイリスなんて人と私が似ていたのでしょうか?
「そんなわけないよな…」
私に聞こえてないと思ってるのでしょうか、独り言のようなものを言っています。
「もう探索し終わったしな…どうしようか…」
男の人でしょうか。それにしてもどうして姿が見えないのでしょう。
私は面白い物を見つけたと思う気落ちと、得体のしれない物への不気味さを同時に感じましたが、長いことここに囚われていたので、思わず声をかけてみました。
「ここから出してください…」
え?
私は声を掛けたかっただけなのに…
「あ、心の声が出ちゃってたかな…」
すると何もなかった筈の通路から男の人が現れました。
黒の髪に黒の目。ここら辺では珍しいですね。
服はボロボロになっていますけど、顔は文句なしのイケメンでした。
「あ、あなたは?」
男の人は困ったなという顔になりましたが、自己紹介をしてくれました。
「俺の名前はアレス・リアム。大事な人を探しているんだ。」
アレス・リアム…?何か引っかかるような気がします…
しかし、アレスさんは自己紹介をしてくださったので、私も自己紹介をします!
「私の名前はシルヴィア・グレイス。この国の王女をしています。」
私が自己紹介をすると、アレスさんはとても驚いた顔になりました。
何か変なことを言ってしまったのでしょうか?
「グレイスという性…銀の髪…」
「あの…どうかしましたか?」
アレスさんが何か思い悩んでいたようなので、声を掛けてしまいました。
「それにしても、どうしてこの国の王女様が牢屋なんかに?」
「それは…私もよくわかんないんです…確か銀色の魔力がどうたらこうたらと…」
「銀色の魔力!?やはりあなたはアイリスの…」
「なにか知っていることがあるんですか?私こう見えてもあまり外に出たことがなくて、常識なんかに疎いと言われますの。」
「そうみたいだね、俺が知っていることと言えば銀色の魔力の人は希少ってことくらいかな。シルヴィアを入れて二人しか知らないよ。」
なにやら面白いことになりました!
私の魔力はどうやら珍しいもののようです。
そういえばここに連れてきた人も言っていたような気がします。
「そうなんですね。私魔法は使わせられてこなかったので知りませんでした。」
私とアレスが話していると通路から足音が聞こえてきました。
「ごめん!またくるね!魔法『
魔法を使ったアレスさんは黒い靄に覆われると姿が見えなくなりました。
「またおしゃべりしましょうね!」
そうして私たちはの
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